息子には中学受験が本当にベストな選択だった?

「ボク塾やめたい」小5で中学受験を断念したから見つけた「親子留学」への道_img1
 

息子が塾を辞めたいと言ったことがきっかけとなり、息子のこれまで、そしてこれからの人生について改めてじっくりと考えるようになりました。「今さら?」と思われる方もいるかもしれません。
恥ずかしながら、共働きで仕事が多忙、夫は家庭のことは私任せで、ほぼワンオペなこともあり、正直そこまでじっくりと考えられていませんでした。

私は息子にどんな大人になって欲しいのか。
息子が好きなことは?
息子のいいところって?

小さいころからの息子のことを思い出しながら、いろいろと考えてやっとわかったのは、私がただ“中学受験をするムード”に流されているだけだったということ。「絶対に中学受験させたい」という信念はなかったんです。息子の適性も考えず、みんながやるからやろっか、というだけでした。

 

私は息子が小さいころから、勉強ができることよりも、人様に迷惑をかけず、自分で生き抜く力を身につけることのほうを望んできました。
そして、息子はよく言えば“子供らしい子供”(悪く言えば、幼い……)。
遊びたい盛りの年齢のときに長時間座って勉強するよりも、伸び伸びと走り回って、夢中になることを見つけて楽しむほうが、息子にとってもいいのではないかーー。

こんな当たり前のことさえ、見えなくなってしまっていました。
塾に通っていると、つい「宿題したの?」「復習したの?」と私が口うるさく言ってしまうことも、息子のよさを潰してしまっているのではとも思いました。

そう気づいたら、「ここまで塾に通ったんだから、がんばって続ければ?」という夫の言葉も振り切り、「息子がしたいようにすればいい!」と思えました。
みんなが塾に行っているけど、うちは行っていない。
それもそれでいいじゃないか! 心の底からそう思えるようになったのです。


もちろん、私は中学受験を否定しているわけではありません。親子で協力しながら、切磋琢磨できるなら本当にいい経験。「もっと上のレベルへ行きたい!」「テストが解けなくて悔しい!」「この中学校に絶対入りたい!」そんなふうにがんばっている息子の友人たちの姿を見ると、この年齢でそんなに懸命になれるのは本当に素晴らしい事だと感じてます。
ただ、幼いタイプの息子にはまだ早かっただけ。


小5のカリキュラムがほぼ終わり、小6の内容に入る前に、息子の塾生活は終わりました。
そして私は息子に言ったのです。「お母さんと一緒にカナダに行かない?」と。

次回は、受験を断念してから、なぜ子供の留学に切り替えたのかを書きます。

構成・文/高橋香奈子

前回記事「夫を説得し4か月で手続きを完了。40代で「親子海外移住」することにしました」>>

 
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