子どもへのNGワード「あなたのためを思って」「恥ずかしい」

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「あなたのためを思って」
「わが家は代々〇〇だからあなたもこうしなさい」
「〇〇するのがあなたの幸せ」
「このくらいはできないと恥ずかしい」

これら、よく聞く子どもへの言葉は、子どものことを思っての声かけでもあるでしょうし、自分の見栄やエゴも入っていることでしょう。ですが、これらの声かけは、子どもをその子として尊重する姿勢とは反対で、子どもの声を聞かない服従型である場合も多いのです。

 

ここで、私のところに届く子どもたちからの声を共有したいと思います。そこにはひとつの共通することがあるからです。

「本当は〇〇したいんだけど、そうするとママが悲しむから」
「ママを喜ばせたいから」
「ここまで一生懸命育ててくれたから言う通りにしたい」

子どもたちは往々にして自分と親の意見が違った場合、親の選ぶ人生を生きようとします。自分の幸せよりも親を幸せにすることを考えるのです。これでは自己を肯定することは難しいでしょう。だって、ありのままの自分で生きることができないのですから。そう思うと、「あなたのためを思って」と言う前に「あなたはどうしたいの?」と聞きたくなりませんか? 

親の愛はものすごく深いと言うけれど、親子のコーチングをしていて感じるのは、子どもの親を思う愛は、親が子を思うそれ以上に寛大なのではないかということです。

だからこそ、親である私は自分を律する厳しさを持って、“厳しさと寛容のバランスが良い”親であることを徹底したいな、と思うのです。
 

著者プロフィール
ボーク重子(ボーク・しげこ)さん

Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。ICF(国際コーチング連盟)会員ライフコーチ。アートコンサルタント。福島県生まれ。30歳目前に単独渡英し、美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学、現代美術史の修士号を取得する。フランス語習得のための留学中、のちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、結婚し娘を出産する。「どんなときも自分らしく強くしなやかに生きていく力を」という願いのもと、ワシントンDCで育児をスタート。非認知能力育児に出会い、研究・調査・実践を重ね、自身の育児に活用。娘・スカイが18歳のときに「全米最優秀女子高生The Distinguished Young Women of America」に選ばれる。現在は、セカンドライフをライフコーチとして、全米・日本各地で子育てやママに向けたコーチングを展開中。著書は『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)など多数。

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『しなさいと言わない子育て』
著者:ボーク重子 サンマーク出版 1540円(税込)

「しなさい」という言葉は、じつは子どもから能力を「奪う」言葉。子どもに「○○しなさい」と言わない子育てこそ、子どもの自己肯定感や自制心など、数値化できない「非認知能力」を育むことにつながるといいます。本書は子どもとのかかわり方を見直すきっかけになるマインドチェンジや、具体的な接し方について、マンガも交えてわかりやすく紹介。「非認知能力育児ってなに?」という方に最適な、入門書にふさわしい一冊です。



イラスト/ヤマサキミノリ
構成/金澤英恵
 

 

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