スタイリスト福田麻琴さんが、身の回りの”愛するモノ”について語ります。

 

仕事を始めた20代の頃から何かと理由をつけては時計やジュエリーなど、宝物を集めてきました。
誕生日、クリスマス、初めましての仕事、憧れの人に会えた、結婚、出産、異常に大変だった仕事……
中には、何その理由?! っていうしょうもないものもあったりしますが、人はどうにか上手いこと理由をつけながら自分を甘やかしたりしているんですねぇ。

 

でも集めてきたものが、時計やジュエリーで良かったと思っています。
なぜなら歳を取れば取るほど、大きなものや重いものが魅力的に見えなくなるからです。
どんなに素敵なバッグも大きくて重いと本当に出番がありません。
“老い“といえばそれまでですが、せっかくの宝物はおばあちゃんになっても使いたいじゃないですか。
クローゼットでお宝が泣いています。
わかっていてもその時の物語が強すぎてまだ手放せずにいるのですが……

それとは別の小さくて軽い宝物は、それを買うために何年もコツコツ貯金して手に入れたものばかりですが、ごくたまにビビッときて衝動買い! なんてものもあります。
たまに並べて見るのですが、どれも思い出がつまっていて愛おしい〜♡
数年前、大事な宝物達はとびきり素敵なのにこれを収納している箱は何かのお土産の箱だったかクッキーの箱だったか……
気がついた時、唖然としました。
1000円しか入っていないエルメスの逆バージョン。
これからは外側だけ素敵なんじゃ意味がない。
これからの素敵は内側からしか出てこない。
ここまでスタイリングできてこそ、素敵な大人の仲間入りなはず!
猛烈に反省し、真剣にジュエリーボックスを探し始めたんです。

 
 

たくさん見ました。
シンプルで見やすい透明の物からレザーとガラスのリュクスなもの、キラキラでお姫様みたいなものまで。
ジュエリーボックスって探すと結構あるんです。
キレイなものを入れる箱は、基本キレイにできているものですが、その中で私が心惹かれたのはジュエリーが似合うというよりはメンズのガシッとした時計の方がしっくりくるグローブ・トロッターのセンテナリーヴァニティケース
グローブ・トロッターはスーツケースも愛用していて、その佇まい、存在感が圧倒的なことは知っていました。
まさかこんなに素敵なボックスも作っていたなんて!
中は2段に分かれていて、小さなピアスを収納できるスペースも。
さすがだなぁ、グローブ・トロッター……
改めて英国の格好良さを思い知らされました。
これからの宝物の基準は“小さくて軽いもの“
だからそれを素敵に大切にしまう場所も大切にしなきゃ。

 

写真・文/福田麻琴
 


前回記事「夏なのに寒い⁈ キンキンの冷房対策に頼れる相棒「マルジェラのコットンカーディガン」」はこちら>>