でもこのような努力をしなくとも、実は伝統的な一汁三菜の日本食スタイルを取り入れていれば、体は自然と弱アルカリ性に保たれるのです。昔の日本食は本当に完璧でした。野菜が多く、魚中心でお肉が少なめ。また梅干しや海藻といったアルカリ食材も豊富に含まれていました。何より良いのは、小麦に砂糖や添加物を加えたパンではなく、ご飯が主食だったこと。日本食は食材を丸ごと食べるレシピが多い。だから食材の栄養をバランスよく吸収できて、体を酸性化させにくいのです。
加えて、昔の人はシャワーではなく湯舟に浸かってリラックスしていましたし、ストレスの元になっているパソコンやスマホといったテクノロジーもありませんでした。本当に、完璧な弱アルカリ生活を送っていたのです。
とはいっても、忙しい現代において昔のような生活を送ることは不可能ですよね。何より、酸性の食品は美味しいもの。「酸性化するから」と全て断つのも、またストレスになって体を酸性化させてしまいます。楽しく過ごすことは、オキシトシンといって、幸せや愛情を感じるホルモンの分泌を促します。ですから美味しく、楽しく食べることも大事。たまには酸性の食品も食べていいと思います。
私は全体の食生活のうち、30%ぐらいは酸性食品も摂り入れています。そのときは一緒に野菜をたっぷり食べるなど、付け合わせでアルカライズするようにしています。また私はコーヒーが大好きなのですが、残念ながらコーヒーも酸性食品。そこで少しアルカリ化してくれる粉末サプリを入れて飲んでいます。
この夏は、そんなふうに上手に工夫しながら、アルカライズ生活を実践してみてください。それだけできっと、夏バテもかなり軽減されると思いますから。
自分のアルカリ度・酸性度をチェックしてみましょう!
手軽にアルカライズ!
エリカ・アンギャルさん
1969年生まれ。オーストラリア・シドニー出身。シドニー工科大学で健康科学学士を取得後、ネイチャーケアカレッジで栄養学を学ぶ。その後、オーストラリアでアレルギーや自己免疫疾患、心臓病や糖尿病などの生活習慣病、肌コンディションに悩む患者の治療に従事する。2004年から8年間、ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントとしてファイナリストたちに美しくなる食生活を指南してきた。伝統的な和食と日本文化をこよなく愛し、日本女性に美容と健康に関する世界の最新知識を紹介することに情熱を注いでいる。NHK WORLDの番組『Medical Fronters』にてプレゼンターを務めており、日本の最新医療や食情報を世界に向けて発信している。
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撮影/嶋田礼奈
取材・文/山本奈緒子
構成/藤本容子
画像/Shutterstock
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