僕って、わりと熱量高い人なんだなって
――独立して1年あまりが過ぎましたが、順調にキャリアを積んでいらっしゃる印象があります。その上で、自分の描いている未来に対して今何が足りないと感じていますか。
まだまだじゃないですか。だからと言って具体的に何が必要なのと言われたら難しいんですけど。この仕事をしている以上、何もかもが達成されることはないと思っています。そもそも僕の描いている未来って、ずっと演技ができればいいなっていう、その一言しかないんですよね。そのためには自分自身の人間性をより分厚くしていくしかなくて。それは一朝一夕でできるものではないと思っているので、何が足りないかを常に自分で探していくことが、僕の歩む道なのかなと。
――人間として厚みを増やしていくのって、すごく難しいですよね。
僕、自分自身が何をもとに変化しているのかひとつもわからないんですよね。よくもっと作品にふれるとか、人と話すとか、そういうことを言う人がいますけど、それが全然ないので(笑)。でも何年ぶりかに会った人からは、すごく変わったと言ってもらえるので。自分が何をきっかけに変化しているのかはわからないけど、ちょっとずつでも変わっているのかなと思うことにしています。
――この映画の主人公の成瀬も高圧的だった性格が、音楽隊での日々を通じて変わっていきますよね。高杉さんは最近発見した自分の新しい一面ってありますか。
恥ずかしい話、わりと熱量高い人なんだなっていうのは最近感じるようになりました。うすうす気づいてはいたんですけど、思いのほか自分の熱量が年々高まってる気がして。
――どちらかと言うと、低温動物みたいな人なのかと思っていました。
僕もそうだと思ってたんですよ。でも、あれ? 俺、すごいギラギラしてるなということに最近気づきはじめまして。この年齢になって熱量高いのもなあ……って自分では恥ずかしいんですけど。
――なんででですか。いいじゃないですか。
いやあ、このままいくとすごい熱血の30代になっちゃう気がしていて。まあ、それも自分なので。そうなったらそうなったで、そういう熱血な僕を、応援してくださる方たちにも見せていけたらいいかななんて考えています。
<作品紹介>
『異動辞令は音楽隊!』
原案・脚本・監督:内田英治 (『ミッドナイトスワン』)出演:阿部 寛 清野菜名 磯村勇斗 高杉真宙 板橋駿谷 モトーラ世理奈 見上愛 岡部たかし 渋川清彦 酒向芳 六平直政 光石 研/倍賞美津子
配給:ギャガ
©2022 『異動辞令は音楽隊!』製作委員会
8月26日(金)より全国ロードショー。
高杉真宙 Mahiro Takasugi
1996年生まれ、福岡県出身。2009年より俳優活動を開始。以降、数々の作品に出演し、2018年には主演映画『笑顔の向こうに』で第16回モナコ国際映画祭エンジェルピースアワード最優秀作品賞を受賞。最近の主な出演作はドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』、映画『賭ケグルイ』シリーズ、『バイプレイヤーズ 〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜』、舞台『ライフ・イン・ザ・シアター』など。『ぐるぐるナインティナイン』(日テレ系)の『ゴチになります』コーナーにレギュラー出演中。10月放送開始のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』、10月14日公開の映画『いつか、いつも……いつまでも。』にも出演する。
撮影/中垣美沙
スタイリング/荒木大輔
ヘアメイク/堤紗也香
取材・文/横川良明
構成/山崎 恵
Comment