時代の潮目を迎えた今、自分ごととして考えたい社会問題について小島慶子さんが取り上げます。

「国民の声を聞け」は個人攻撃の理由にならない。皇室SNSは共感と議論の場になれるか_img0

このほど、皇室がSNSでの発信を検討していると報じられました。宮内庁は来年度予算案の概算要求に参事官ポストの新設と広報担当職員2名の増員を盛り込み、宮内庁サイトの刷新やSNSでの発信を検討しているとのこと。専門家は誹謗中傷への対策が必要だと指摘しています。

 

ネットは今や人々が日常生活を送る公共空間。リアルな世界でダメなものはネットでもダメとしないと、何世代もかけて進歩してきた人間社会は、技術的な進歩に伴って、近代以前の世界へと退行することになります。当然ながら、ネットなら侮辱や誹謗中傷をぶつけても構わない、虚偽の噂を広めても構わないという考え方は間違っています。これまでそうした暴力のせいで何人もの人が命を絶ってきました。ネット暴力への対処は厳しくなりつつあり、誹謗中傷の書き込みやリツイートで、刑事罰を受けることもあります。