自分の気持ちをごまかさず、相手の気持ちも尊重


頼み方においてまず重要なのが、「アサーティブ・コミュニケーション」というスキルです。英語の「アサーティブ(assertive)」という言葉は、なかなか適切な日本語に訳すのが難しいのですが、「自分の気持ちをごまかさず、相手の気持ちも尊重した上で、適切に自己主張をする様子」といったような意味です。

アサーティブであることは、相手の心も尊重しつつも、自分の心に嘘をつかず、正直であることです。相手の気持ちを優先しすぎて、自分の気持ちを押し殺すことは、アサーティブではありません。自分自身の気持ちに対して、誠実であることが大切です。

そして人に何かを頼むときには、このアサーティブな立場というのが、とても重要になってきます。

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アサーティブに人に頼むために知っておきたい「6つの権利」


「人間には、一人ひとりに自分の思ったことを言える基本的人権がある」というのが、アサーティブの柱の1つです。イギリスの心理学者で文学者のアン・ディクソンが書いた『第四の生き方』(つげ書房新社)から、アサーティブな立場における「6つの権利」を紹介します。

①『わたしには、賢くて能力のある対等な人間として、敬意を持ってあつかわれる権利がある』

②『わたしには、自分の感情を認め、それを表現する権利がある』

③『わたしには、自分の意見と価値観を表明する権利がある』

④『わたしには、間違う権利がある』

⑤『わたしには、人の悩みの種を自分の責任にしなくてもよい権利がある』

⑥『わたしには、周りの人からの評価に頼ることなく、人と接する権利がある』

重要なポイントは、「自分を尊重し、意見を表明する権利を行使しながらも、相手も尊重すること」です。つまり、相手を責めたり批判したり攻撃をしたりせずに、自分の言いたいことを口にすることが、アサーティブ・コミュニケーションにおいてとても大切です。