2022年度のジェンダーギャップ指数ランキングが、今年も7月に発表されました。日本は146か国中116位、G7(主要7か国)では昨年に続き最下位という結果に。

「男社会で孤独に戦うのは疲れた」「家庭と仕事を両立させようとしているが、評価されない」「昇進しなくていい。サポート役でいい」

悩める女性に向けて、「働く女性のプロ」とも言うべき先輩が、本を通じて熱いメッセージを送っています。

昇進不安な女性たちへ。「察してちゃん」「みんなのママ」にはならないで。元『Domani』副編集長が伝えたいこと_img0

著者は、「Anecan」「Oggi」「Domani」「Precious」編集部を渡り歩いてきた小学館の下河辺さやこさん。20代で出産後、子育てしながら女性誌編集の激務をこなし、副編集長だった40代半ばから一橋大学でMBAを取得。現在は、社内で新規ビジネスを立ち上げ、動画コンテンツ制作等に取り組んでいるパワフルウーマン。

TV番組でも「できる女」と紹介され話題になっていますが、実は七転び八起きのキャリアの持ち主です。本書は、下河辺さんがたくさんの失敗から得た学びを、女性誌編集で培ってきたパワフルな言葉で惜しみなく伝えてくれる一冊です。

今日はこの本の中から、「昇進するまで」「昇進してから」の二つのステージで、女性が陥りがちなワナと対処法を紹介します。

 

【昇進するまで】奥ゆかしく控えめに評価を待つ……、「察してちゃん」になってない?


某政治家の「わきまえた女性」発言も記憶に新しいですが、日本女性はとかく「やまとなでしこ幻想」を押し付けられがちです。どんなに強気に見える女性でも、内面に「本来、女性は控えめであらねば」という思いを秘めていることが多いのではないでしょうか。

職場でのやまとなでしこ像というと、真面目で控えめ、「この仕事をしたのは私」「将来はこんな仕事がしたい」「評価してほしい」をはっきり主張しない女性。しかし一方で、「こんなに頑張っているのだからちゃんと評価してほしい」「私はわきまえて黙っているだけ。上司なのだからちゃんと見ててよね」という本音が内心隠れてはいないでしょうか?

そして、自分としては「わきまえている」つもりで働いていたら……。上司からは「積極性が足りない」「将来どうなりたいのか分からない」と勘違いされて、同期の男性が先に出世。あれれ、なんで? これって男女差別じゃない? そう思っても後の祭りです。


ディズニープリンセスだって今どきお王子様なんて待っていないんだから、誰かに見出されるかもしれないという甘えた願望はもう捨てたほうがいい。彼氏ならまだしも、たくさん部下を持っている上司にとって、あなたは特別な女性ではありませんよ、と言ってあげたいですね。
-『男尊社会を生きていく昇進不安な女子たちへ』より


男性のサポート役に回ってばかりいると、職場での女性の地位向上はなかなか進みません。出産のタイミング、結婚・離婚など心配事はたくさんありますが、大切なのは「どうしたいか」をしっかり口にすること。

生意気に見られたくない・あからさまなアピールはちょっと、と思う人に下河辺さんがおすすめするのが「ご相談」作戦。

今こんな風に業務を進めているけれど、こんなことに悩んでいる。こうしたらどうかな? と思っているんだけど、どう思いますか?

こんな話し方なら、仕事の成果も問題意識を持っていることも伝えられますね。自分なりの案もセットにした前向きな相談を嫌がる上司は少ないでしょうから、ぜひお試しを。

 
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