こんにちは、エディターの昼田です。

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こんまりさんの本に書いてあった、とあるエピソード。

 

新しい携帯に変えたとき、古い携帯に「ありがとう」と伝えたら、まるで命が途絶えたかのように突然電源が落ちた、という話。これを読んだとき、こんまりさんはモノと交信できる ”特別な力”がある方なのだなと思いました。私にはそういう能力はありませんので、素直にすごいなぁと思ったんですよね。

が……!
去年、私にも同じような出来事が起こったのです!

おいおいおい、これって特別な能力があるからじゃないぞ。誰の身にも起こっているんだ。
そして確信したのです。モノは生きているのだと。

今日は私が体験した、にわかに信じがたい嘘みたいなエピソードをお話ししてみたいと思います。

 

私たち家族のかつての愛車、ボルボ740。

それは去年のこと。
移住して初めて迎える山形での夏。盆地らしい猛烈な暑さを経験していました。30年以上前に作られた車で快適に過ごせるはずはなく、クーラーが効くまでは蒸し風呂。とにかく暑いんですよ。ある日娘がぐったりしているのを見て、一刻も早く手放さなければと決意したのです。

私たちの胸の内が伝わったのか、ある日突然、ボルボは道の真ん中で動かなくなってしまいました。

 

人生で初めてのレッカー体験。動揺しつつも考えたのは

「明後日からの旅行どうしよう……?」でした。

実は家族旅行を控えていて、本音をいうと「こんな暑い車では行けないからレンタカーで行こうかなと」と考えていた私。それもボルボには全部伝わっていたのかもしれません。結果、レッカーされたあと無料で代車(しかも新車!)を得て、快適な旅に出かけることができたのです。

 

あれ!? これって最悪のハプニングと思ったけれど、レンタカー代も浮いてむしろラッキーじゃん。

で、ふと思ったわけです。
これはボルボからの「ギフト」なのではないかと。

 

出会いは2019年。
車がなくてもやっていける都会暮らしをしていたとき、突然ひと目惚れして買ってしまったボルボ。30年前の車にもかかわらず、ワンオーナーでとても状態が良く、走行距離も少なめ。長い間、ガレージで眠っていたことが予想できました。
前オーナーはどんな気持ちで所有していたんだろうか。30年もの間、手元に置いておきたかった理由はなんだったんだろう。古いけれど手入れされた状態を見ると、”愛されていた車”であることは間違いありませんでした。

その想いを引き継ぎたい。私たちもこの車を大事にしたい。

 

納車されたとき、家族でそんな話をしたことを覚えています。

縁あって私たちと過ごすことになったボルボは、ガレージからようやく外の世界に。人を乗せて移動するという車としての役目を果たすかのように、一度も故障することなく、初めて走らせる雪の中でもタフに走り続けてくれた。

 

特に毎朝ヨガをしている夫には、特別な感情があったと思います。
夜明け前には車を走らせてヨガのスタジオに行く夫。
毎日ヨガのプラクティスを続けるだけでも辛いのに、冬になれば車の雪下ろしと雪かきをしなければ出かけられません。“相棒”でもあり、厳しい毎日を乗り切る”戦友”でもある。心通わせていた部分もあっただろうと思います。

山形では古い車に乗っていることが珍しく、「いい車乗ってますね!」と声をかけてもらうこともたくさんあって。私たちは何もしていないのに、勝手にご縁が広がっていく。「修理に出すなら●●●がいいですよ」と、必要な情報も勝手に入ってくる。見知らぬ土地で、ボルボは私たち以上に社交的なキャラクターを発揮していました。

そう、自慢の家族。

けれど、私たちの心変わりを敏感にキャッチしていた。

娘は運転席に座るのが大好きでした。
 
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