「肯定語」を使って気持ちの良い表現を心がける

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写真:shutterstock

会話の冒頭に「でもね」とか「だけど」という否定語を多用すると、相手は自分の意見を否定されたと感じ、どんどん頑なになります。これはメールでも同じで、否定語で書かれたメールは受信者の気持ちをマイナス思考にしがちで、送信者との間に壁を感じてしまう場合も少なくありません。前向きな言葉のほうが受け入れやすいのが人情です。
では、例文で比較してみましょう。

〈否定語〉大声での会話は控えてください。〈肯定語〉静かな時間をお楽しみください。

同じ事柄でも、否定語を使うと「上から目線の指示」のような印象を与えるのに対し、肯定語を使うとすんなりと受け入れやすい印象に変わります。

 

また、「でも」「ところが」「けれども」「しかしながら」「にもかかわらず」といった逆説の接続詞を使うと、文章の流れを止めてしまい、理解の妨げになりやすいものです。もし、使わずに言い換えられるのであれば、できるだけ逆説の接続詞は用いずに表現するほうが、相手に伝わりやすくなります。
例えば、次のようにすると流れがよくなります。

〈否定語〉遅くまでお疲れさまです。
けれども、そこまでする必要はありません。
〈肯定語〉遅くまでお疲れさまです。大変でしたね。
休み休み進めてください。


特に気をつけたいのは、社会的地位のある人や顧客、年上の人にご意見をいただいた時です。このような場面でも、否定の言葉ではなく、肯定の言葉を使った言い回しに差し替えて文を構成するように心がけましょう。

〈否定語〉返品・交換はできません。
〈肯定語〉・あいにく返品・交換はできかねます。
・あいにく返品・交換の対象外となっております。
・返品・交換はご遠慮いただいております。

このように、否定語を使うと突き放したような印象を与える事柄でも、肯定語に変えるだけで、相手に寄り添った印象になります。

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著者プロフィール
亀井ゆかり(かめい・ゆかり)さん

手紙コンサルタント。兵庫県在住。関西外国語短期大学を卒業後、大手通信機器メーカーに就職し、役員秘書を務める。結婚を機に退職した後、同僚の勧めで挨拶状を中心とした代筆業を始め、大企業から個人経営の店舗まで、あらゆる業種の顧客に向けて28年間で代筆した手紙は30万通を超える。現在は、代筆業だけでなく「自筆の手紙は思いを伝える最高の手段」という信念のもとに、手紙コンサルタントとして企業、学校、個人の手紙相談、手紙指導なども行っている。

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構成/金澤英恵
 

 

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