「住所は言わんようにな」小さい頃からダメ出しできる
――フォートナイトをはじめとするオンラインゲームは、顔も本名も知らない人とつながる「楽しさ」が醍醐味の1つだと思います。でも子どもがプレイするとなると、親としては「怖さ」の方が先立つ気もします。
小籔 僕らが子どもの頃には「ネットリテラシー」なんて言葉はなかったですからね。親からネットがどうのとか注意されることも当然なかったですし。今の子らは生まれた時からネット環境があって、ネットリテラシーに向き合いながら大人になっていかないといけない。だから子がゲームをしてる横で、「住所は言わんようにな」とか「本名言ったらあかん」とか、小さい頃からダメ出しできるのはいいことだと思うんです。SNSとかニュースサイトを見てると、誰かを追い込むようなオラつく書き込みをしてる大人たちが山ほどいる。ネットとの向き合い方は子どもよりもむしろ大人の方が問題ですよね。
オンラインゲームをやると「口が悪くなる」?
――プライバシーもそうですし、オンラインゲームでは心ない言葉を浴びせられるリスクもありますよね。お子さんにはどうやって伝えていますか。
小籔 前に息子が「暴言吐かれて嫌やった」ってへこんでたんです。だから、「顔見えへんからってわけわからんこと言うてくる奴は、表ではええ顔してるつもりなんやろ。でもな、ちょいちょい出んねん。そんなきれいに裏表使い分けれるか」って言って。現実では勤めてる会社の社長や、好きな女の子にへえこらしてても、しまいに裏の顔がバレてクビになったり、振られたりして、取り返しつかんことになるぞと。人に見えへんとこでもちゃんとできることが大切や、そんな話をしました。
――今のお話は傷つけられる側だけじゃなくて、傷つける側にもならないように、という教訓にも感じます。
小籔 オンラインゲームをやると「口が悪くなる」なんて言われますけど、果たしてほんまに「ゲームしてる時だけ」なんか? というのが疑問で。親の前ではお行儀いいかもわからんけど、じつはもともと学校、公園、友達の家でも口が悪かったかもしれない。オンラインゲームは家でやるから、親がそんな一面をたまたま垣間見て「この子、ええ子やったのに」と勝手に落胆してるだけかもしれない。僕自身も子どもの時、親と友達の前とでは言葉遣いが全然違いましたからね。でも、子どものそういう一面を垣間見るのは、逆にいいんじゃないかと思うんです。見えれば、親としては何か助言できますし。見えないことの方が不安じゃないですか。
だからゲーム好きのお子さんをお持ちの親御さんは、「またゲームやっとんのか」と子どもから離れるんじゃなくて、自分も一緒にやるまではいかへんにしても、まずはゲームの中身を知って、プレイ中の会話を聞いたりするのもいいと思うんです。
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