役者・入山法子の覚悟「さらけ出したものを面白がってくれる人たちと仕事をしたい」_img1

 

ーー先述したInstagramで、入山さんは彩女に「振り回された」と表現していましたが、慶子との関係は?

慶子には、こちらから彼女の肩を組んで「なんでそんなふうにしか言えないんだよお前は〜」みたいに言える気楽さはあったかもしれません。彩女みたいに何を考えているかわからないというレイヤーが薄いので、「(心の内を)見せて」と言ったら「はいどうぞ」とすぐに見せてくれました。彼女も複雑さはありますが、すごく少女っぽいところもあるし、嘘も裏側もないような気がしていたので、そういう意味で彩女ほど厄介ではなかったです(笑)。

 

ーー慶子がもんぺを縫っていると、三好が「もんぺなんてはかないでください。あなたにふさわしくない」と真顔で言い切ります。三好は自分が求める慶子像を本人に押し付けていました。その行為は恋愛以外の関係性でも性別を問わずある気がします。入山さんはありましたか?

20代の頃はたくさんありました。見た目の印象とやりたいことのズレが結構大きくて、見た目の印象に寄せる作業ばかりしていた時期がありました。背が高いから気が強く、クールに見られがちなんですけど私自身は全然そんなことはないので(笑)、それはやはり息苦しかったですね。不思議な仕事ですよね。イメージ……イメージとは? みたいな(笑)。私は私なのに、というジレンマが、若い頃はありましたね。

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ーーそのジレンマからも、今は抜けたんですね。

どう思われてもいいや! と思うようになりました。作られたものに共感されるよりも、さらけ出したものを面白がってくれる人たちと一緒に仕事をしたいですし、何より自分がそう生きたいと思ったんです。30代はそういう部分でも覚悟が決まりましたね。