——『ワタシってサバサバしてるから』は同名の人気ネットコミックを実写化したドラマです。どんな意気込みで主人公の網浜奈美を演じましたか?

丸山礼さん(以下、丸山):網浜奈美さんは“自称サバサバ女”でして、作品名の通り「ワタシってサバサバしてるから」って言いたいだけの女性なんです。本当に近代稀に見るほどの自信家で、謙遜や忖度なんて一切頭になくて、とにかく自分ファーストで生きている。好かれるタイプじゃないかもしれないけれど、なぜか言動を追いかけたくなって、だんだん好きになっちゃう。勤務先である女性誌の編集部を舞台に、彼女のサバサバ節にみんなが巻き込まれて行く様子が見どころですね。

お芝居で心がけたのは、サバサバ節のセリフを発するときに、なるべくトゲのない言い回しを意識することですね。そのさじ加減を間違えないように気をつけました。

 

——丸山さんはこれまでコントで癖の強いキャラクターを演じてきましたが、網浜奈美もスムーズに身体に馴染ませることができましたか? 役づくりで大事にしたことを教えてください。

丸山:まず、網浜さんは私とは正反対なんですよ。普段の私は人の顔色をめちゃくちゃ伺っちゃうタイプで。「これ言ってもいいかな? 今は私が出る幕じゃないかな?」とか考えちゃうことが多いので、網浜さんの堂々とした姿勢を見習いたいくらいです。彼女は世界各国をバックパックひとつで旅をしてきた経験もあって、ちょっと日本を窮屈に感じているところがあって。だから規格外のキャラクターであることを表現したいと思っていましたが、すごくパワーが必要な役柄なので毎日ヘトヘトになってしまいました。ただ、人を笑わせたい意欲がある面は私も似ているところがありますし、演じていて楽しかったですね。

ちなみに、普段コントをやるときは、頭でアレコレ考えるよりも、とりあえずビジュアルを作り込むタイプなんです。そのキャラクターをイメージして服装やメイクを仕上げて、鏡の前に立つと自然とセリフが口から出てきたり、それっぽい表情を作れちゃうんですよね。それは今回の網浜さんにも当てはまって、役づくりでショートヘアにカットして、跳ね上がったアイラインを引いた瞬間にスイッチが入った感覚がありました。原作漫画というお手本があったので、あまり悩まずに網浜さんに入り込むことができたかもしれません。