親がのんびりしていると、ひとりっ子はスタートが遅れる

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写真:Shutterstock

今は、子どもを取り巻く環境もどんどん変化しており、親がうかうかしていると大事な成長機会を取り逃します。

2022年は中学校の受験者数が過去最大に達し、学習塾はどこも早い時期から申し込みが殺到しています。そのため、そろそろ我が子を学習塾に入れようとしたときにはとっくに定員に達していて入れないというケースが相次いでいます。もし、中学受験を考えているとしたら、これは大きなハンデを背負うことになります。

学習塾に限らず、サッカーでもバレエでも、なにか習い事をさせるときに、そのタイミングがこれまでになく問われるようになっています。

かつては、「モチベーションも持てないうちにやらせたから飽きてしまった」という早すぎる失敗もありました。しかし、最近は、早すぎる失敗よりも遅すぎる失敗のほうが圧倒的に多いのです。何事も、周囲が早くから始めている中で遅れて参加すれば、ついていけずに苦しむのは当然です。

こういうことになってしまうのは、たいてい、ひとりっ子です。兄や姉のときに失敗していれば、親も「今度こそは」としっかり動くのですが、はじめての場合、どうしても上手くスタートが切れないようです。

 


「ちょっとしたグズグズ」の残念パターンにならにために


とはいえ、ひとりっ子の親も、ある程度の情報は持っているのです。ママ友同士で話をすることもあるし、会社で教育に関する話題が出たりします。そこでは、「小学3年生になったら塾に入らないとまずいらしいね」などと話をしているにもかかわらず、実際の行動に移すことをしません。過去に経験がないことだけに、頭の中の情報を納得させるのに時間がかかるのでしょう。

そうした親の「ちょっとしたグズグズ」のために、子どもがすごく後れを取ってしまうという残念なパターンが、ひとりっ子によく見られます。

勉強に限らず、運動でもなんでも、始めるタイミングは大事です。「お兄ちゃんは3年生で始めたけれど、ちょっと遅かったみたいだから、この子は2年生からやらせよう」というものさしがないひとりっ子の親は、高くアンテナを張って情報収集する必要があります。

そして、得た情報は頭の中に留めておかずに行動に移してください。

著者プロフィール
富永雄輔(とみなが・ゆうすけ)さん

進学塾VAMOS代表。京都大学を卒業後、東京・吉祥寺に幼稚園生から高校生まで通塾する「進学塾VAMOS(バモス)」を設立。現在、吉祥寺、四谷、浜田山、お茶の水校を開校。入塾テストを行わず、先着順で子供を受け入れるスタイルでありながら、毎年首都圏トップクラスの難関校合格率を誇り、日本屈指の“成績が伸びる塾”として「プレジデントファミリー」「アエラウィズキッズ」「日経キッズプラス」などに登場。論理的な学習法や、子供の自主自立を促し、圧倒的な支持を集めている。著書に『男の子の学力の伸ばし方』『女の子の学力の伸ばし方』等がある。

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『ひとりっ子の学力の伸ばし方』
著者:富永雄輔 ダイヤモンド社 1650円(税込)

兄弟姉妹がいなくても、ひとりっ子は親の接し方ひとつでぐんぐん伸びる! 現在、子どもがいる夫婦のうち、ひとりっ子の割合は約20%と言われる現代。“成績が伸びる塾”を運営する著者が、ひとりっ子が活躍する時代に向けて「ひとりっ子が賢く育つ108の具体策」を紹介します。「勉強でも仕事でも一生役に立つ“考える力”の育て方13のコツ」「成績が伸びるひとりっ子の親がこっそりやっている23の習慣」など、学力向上から人生の土台づくりまで、ひとりっ子を伸ばすための実践的な内容を詰め込んだ1冊。



構成/金澤英恵
 

 

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