上昇志向が、目に見えると損をする

大人気テレビドラマシリーズ「スーツ」に出演、一躍注目女優の枠に。2014年。写真:Shutterstock/アフロ

そういう意味からすれば、メーガン妃はやはりどう考えても“向上心の人”というよりは、“上昇志向の人”。もちろん、女優時代はスキルを磨こうと必死に努力したのだろうけれど、同時に限りなく上まで昇り詰めようという上昇志向を秘めていたのは確か。それがヘンリー王子と出会ったことで、一気に火がついたという気がしてならないのです。

2015年、プラダのイベントにて。写真:Shutterstock/アフロ

ところがメーガン妃はいみじくも、自身のポッドキャストでこんな発言をしています。
「男性が意欲的であることは評価されるのに、たとえば学校で女子生徒が意欲的に発言をしようとすると、威張っているといわれる」
いやいや、意欲的なのは良いのです。どんどん意欲的に発言すればいい。そうではなくて、公務は一切やらないけれど、王室の人間であることにはこだわり、敬称には強くこだわること、それは、意欲や向上心ではなく、地位だけに執着する上昇志向の証に他ならないと思うのです。

それでも、上昇志向そのものは決して批判されるべきものではありません。誰だって上を目指したいし評価されたい。出世したい成功したいという願望を持つ事は人として当たり前のこと。
逆に言えば、今そうした上昇志向がゼロの人が多いことの方が問題であるとさえ思うのです。

 

ただ、上昇志向が強すぎることが、目につくのは見ていてやっぱりあまり気持ちの良いものではなく、結局のところ本人が損をする、だからちょっと言いたくもなるのです。