パラダイムシフトの今、「美の価値観」を刷新し続けてきた美容ジャーナリスト齋藤 薫さんが、注目したいある視点をピックアップします。


世界で1番、人々が見ていたいのはキャサリン妃のファッション?

昨年12月、ウィリアム皇太子が立ち上げた地球環境賞「アースショット賞」授賞式では、サスティナブルを意識してドレスはレンタルスタジオからリースして着用。写真:PA Images/アフロ

ふと思うのです。なぜこんなにもロイヤルファッションは人気があるのか? 私たちはなぜこうも、ロイヤルファッションに心惹かれるのか? 考えてみれば不思議……。

少なくとも今、世界中で目立って多く見られているのは、女優のスナップでもセレブのワードローブでもなく、キャサリン妃のロイヤルファッションだったりするのかもしれない。これはもう理屈抜き。
でも改めてなぜ? と考えるとわからない。キャサリン妃個人の人気もありながら、ロイヤルファッションそのものに魔法のように人を惹きつける効果があるのは明らかなのです。

写真:Mirrorpix/アフロ

1980年代90年代は、ダイアナ妃のファッションが圧倒的な人気を誇っていた訳ですが、言うまでもなくネットのない時代。それでも目に焼き付いている装いは山ほどあって、ロイヤルファッションの不思議な力を改めて物語ります。

思えば昭和の時代、日本は上皇后美智子さまのロイヤルファッションに酔いしれました。確かに美智子さまの装いは、まるで女優のような“60年代ファッションの洗練”も相まって、今見てもため息が出るほど。

退職のご挨拶で外務省を訪れた雅子妃。キャリア時代からスカーフ遣いが巧みだった。 写真:JMPA

そして一方、雅子妃の装いは、お妃候補の頃から既にロイヤルファッションを見ているような高揚感をもたらしてくれました。

サウジアラビアの砂漠に映える華やかなグリーンと、歩きやすくもエレガントなパンツスタイル。写真:JMPA・光文社

それは、のちのプリンセスがとてもセンスの良い人である事実に、さぁもっとすごいロイヤルファッションが見られるのだという大きな期待が持てたから。そして、皇太子妃になられてから、体調を崩される前までは、それこそ予想を超える位に素晴らしいファッションを見せてくれました。何か日本の未来は明るいと思えたほど。

だからこの時改めて思ったのが、ロイヤルファッションとはそもそも何なのだろうという事だったのです。

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【写真】写真で検証! ロイヤルファッションの魔力って?
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