「いのちを守る反撃能力」は本当か。ウクライナ侵攻、台湾情勢、アイドルの軍服姿…戦争をしないために何ができる？

時代の潮目を迎えた今、自分ごととして考えたい社会問題について小島慶子さんが取り上げます。

BTSのJINさんの軍服姿に複雑な思いを抱いているファンの人も多いでしょう。メディアを通じて知るだけだけれども、親近感を抱いていたアーティストが入隊することになって、改めて現在も韓国と北朝鮮との戦争が続いている重い事実を思わずにはいられません。まして、家族や大切な人の入隊を見送る人たちはどれほど心配であろうかと思います。

兵役を経験した韓国の男性の中には、軍隊の訓練には良いところもあるという考えや、兵役を通じて人脈が広がるという主張もあるようです。一方で、いじめや暴力などの問題が報じられています。当然、兵役についている間は学業やキャリアが中断されることになります。何より、いつ実戦になるかもわからないのです。毎日のように北朝鮮のミサイルが日本海に向けて発射されることに慣れっこになりつつある今、あなたは日本にいる自分自身が、あるいは自分の家族や恋人が、兵役に就かねばならないことを想像することはあるでしょうか。大袈裟な、と笑うかもしれませんね。韓国とは事情が違うのだし、と。でも、そう現実離れしたことではないと想像することが、今は必要です。