すっかり2023年にもなじみ、元気いっぱい働いておりますこんにちは。

神楽坂で食べたお汁粉。

新年ボケから目覚めてからは、意識して周囲に今年の目標やビジョンを話すようにしています。(おはようございます)

油断しない
覚悟する
周囲によい影響を与える

……ざっくり言うと、「強くなる」。これが私の今年のテーマです。

振り返ってみれば、2022年はとりわけ「泣き言の多い」一年でした。

周囲の人たちの気持ちを聞き、そして私も聞いてもらい。ネガティブな感情も表に出した。これはこれでスッキリする感じもありましたが、後半はちょっと疲れていたかも。自分の放つ負の感情に、自分自身があてられちゃう感じっていうのでしょうか。自家中毒みたいなものですかね。

 

部屋が片付いていませんねえ……。

泣いてちゃごはんに遅れるよ』(寿木けい/幻冬舎)

エッセイスト・料理家の寿木けいさん。出版社で編集者として働いていた頃に更新していたTwitterが人気を博し、一冊の本(『わたしのごちそう365 レシピとよぶほどのものでもない』)に。その後も食・暮らしについて執筆を続けている、今私が大注目している方です。

ちょうど一年前くらいに『わたしのごちそう365』を紹介していました。→

去年出版された『愛しい小酌~12か月のささやかなお酒と肴』を読んで「やっぱり寿木さんの文章好き!」と思い、初エッセイ本だった『閨と厨』を読み……。そして『泣いてちゃごはんに遅れるよ』にたどり着きました。

家族4人の暮らしと思い出、台所のこと。描かれるのは、段取り上手の寿木さんの「女の人生のやりくり」。さりげない日常エッセイなのに、なんだか胸がちくっと・ざわっと・きゅんとする。平松洋子さんの著書を読むときのような、「この人、ただものではない」という畏怖みたいなものを感じます。


ぐいぐい引っ張られるように読み進め、あっという間に最後の章に。読み終わる予感に寂しさを感じた瞬間、ふとページをめくる手が止まりました。

でも私は、泣いていいと言うよりも、泣くなと言葉をかけるほうが、本当のような気がする。悲しみを肩代わりしてやることはできないと知っていてなお、それでも、心だけは受け止めてやろうと思う覚悟がなければ、泣くなとは言えない。これまで歩んできた年月よりも、これからその悲しみを抱えて歩く歳月のほうが長いのだから、涙に舵をとらせてはいけないのだ。

ショックな出来事の後、涙を流す寿木さんに、義理のお母さんが「泣いちゃいけない」と声をかけます。

「悲しいなら泣けばいい」と言うのが優しさ。そんな時代のムードがあるけれど、そしてそれはそれで真実だと思うけれど。むき出しにした感情に、つけこまれてしまうことだってある。私のように、自分が発する負のオーラが毒となって、身体中を巡ってしまうことだってあるでしょう。そして何より、泣いてたらごはんが遅くなる。それは大変!

 

「泣いちゃいけない」「涙に舵をとらせてはいけない」

誰かに言ってもらうのは難しくても、自分で自分にそう声をかけて、心強く日々を乗り切っていこうと思います。素敵なエッセイに出会えて幸せです。

泣かないよ~。きりっといこう!