デスクでこっそりできる。顔を使った「もやだる3秒リセットスイッチ」3種
1:「眉間伸ばし」
しわが寄っている眉間を指先でゆっくり伸ばしてあげることで、「今」に戻るスイッチになります。意識を眉間に集中して、眉間に触れた指先を感じることがポイントです。指先のぬくもりやしわが伸びていく感覚に気づけるようになると、ネガティブな感情を断ち切れるようになります。
①眉間に指先をあてます。
②指先でなでるように寄っているしわを伸ばしましょう。
※スイッチとしては3秒程度で十分ですが、気持ちがよければもう少し長く続けてもいいでしょう。また、無理にしわを伸ばさなくても、指先でなでて温めるだけでもかまいません。
2:「まぶたおさえ」
手のひら全体でまぶたをやさしくおさえるだけで、「今」に戻れるスイッチになります。それが、「まぶたおさえ」。目の前で起きたことをいったん消すことで、気持ちの切り替えができるようになります。
人間が受け取る情報の約8割が視覚からの情報だといわれています。その器官を強制的にシャットダウンするのが、「まぶたおさえ」です。
①目を閉じます。
②手のひら全体でまぶたをやさしくおさえましょう。
※3秒くらいおさえるだけで十分です。長くおさえすぎるとネガティブなイメージが現れてくる可能性があるので注意してください。
3:「見上げてごらん」
「見上げてごらん」は、いつでもどこでも、すぐに使えるスイッチです。
なぜなら、あごを上げて、顔を上に向けるだけの動作だからです。もやだるにつながる出来事が起きると、顔が強張ったり、曇ったり、目がつり上がったりなど、「笑いなさい」といわれても簡単に表情をつくることはできません。
しかし、顔を上げると、自然と口角が上がり、目尻が下がります。無理に表情をつくらなくても、やさしい顔になれるのです。そして、やさしい顔になっている自分を感じることで「今」に戻ることができます。
立ったままでも、座ったままでもかまいません。顔を上げて、3秒間、上を眺めましょう。
※上に目を向けると、そこには違った景色が見えてきます。3秒とはいえ、耳を澄ませば何か聞こえてくるかもしれません。それが「今」に戻るスイッチになるのです。
スイッチを使うことが習慣になると、もやだるさんになる前に、もやだるの火種を消せるようになります。そのためには、たくさんのスイッチを持っていると便利です。どんな状況下でも使えるスイッチがあると、もやだるさんになることはなくなるはずです。
著者プロフィール
伊藤東凌(いとう・とうりょう)さん
臨済宗建仁寺派 両足院副住職
1980年生まれ。建仁寺派専門道場にて修行後、15年にわたり両足院での坐禅指導を担当。現代アートを中心に領域の壁を超え、伝統と繋ぐ試みを続けている。アメリカFacebook本社での禅セミナーの開催やフランス、ドイツ、デンマークでの禅指導など、インターナショナルな活動も。2020年グローバルメディテーションコミュニティ「雲是」、心を整えるアプリ「InTrip」をリリース。海外企業のウェルビーイングメンターや国内企業のエグゼクティブコーチも複数担当する。
『もやだるさんのリセットスイッチ』
著者:伊藤東凌 ディスカヴァー・トゥエンティワン 1540円(税込)
「やる気がでなくてだらだらしがち」「イライラもやもやがおさまらない」そんな「もやだる」症状によく効く禅僧がやっている簡単リセット法を大公開!相手の反応が気になって、いつも心がもやもや、気持ちが休まらなくて、何となく体がだるい――。もやもやだるーい状態から、なかなか抜け出せない、そんな方を「もやだるさん」と名づけました。もやだるさんは、気遣い屋さんで、頑張り屋さんです。だから、いろいろため込んで、疲れてしまう。そのネガティブサイクルを断ち切ることができれば、毎日、気分晴れやかに、楽しく過ごせるようになります。
イラスト/村山宇希
構成/大槻由実子
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