「いつかフランスに住みたい」
「大好きなファッションを仕事にしたい」
「宇宙飛行士になりたい」
……そんな風に夢見る人は多いのではないかと思います。もしくは、「夢見ていた(過去形)」人。
夢を叶えるのがどんなに難しいか、大人になった私たちはよく知っています。現実を知る前のピュアな夢であるほど、叶えられる人はごく一握り。そして、現実に追い回されて疲れ果てた夜、「夢を叶えたラッキーな人」をSNSで眺めてはため息をつく……。好きなものと一緒に生きていくのは、やっぱり夢物語なのでしょうか。
「自分の好き」を諦められない私、夢見ることに疲れたあなたへ。北欧に恋した30代会社員が、夢に向かうデコボコ道をリアルにつづったコミックエッセイをご紹介します。
著者は、大学時代にフィンランドに恋に落ち、「
部屋を北欧インテリアにし、夜な夜なシナモンロールを焼き、北欧好きの友だちとつながり……。少しずつ好きを満たしていった結果、「フィンランドで寿司職人になる」という夢につながったというところまでが、第一巻『北欧こじらせ日記』。第二巻の移住決定編では、移住するに至るまでの紆余曲折の修行と準備について、涙も汗もふりみだしながら頑張るchikaさんの様子が描かれます。
「いつも『それ』に触れていたい」自分の好きの見つけ方
chikaさんを魅了したのは、北欧ならではのおしゃれなインテリア雑貨や食べ物などだけでなく、シャイだけど優しい人々、他人と違うことを恐れないマイペースな文化。ペンパルやチャットサイトで出会った北欧の友達と情報交換しながら、定期的に現地を訪れてますます北欧愛は深まっていきます。
「北欧が好き」「フィンランドに行きたい」
その情熱を現実に落とし込んだときに、いったいどんなキャリアにつながっていくのかは五里霧中。とりあえず新卒で北欧系企業に就職してみたけれど、業績不振ですぐに倒産してしまいます。大きな挫折を味わうchikaさんですが、異業種に転職して激務系会社員になってからも北欧愛は冷めませんでした。
狭い一人暮らしの家は北欧グッズでいっぱい。お給料を貯めてはフィンランド旅行。深夜テンションでシナモンロールを作り、友人と一緒に北欧風ピクニックを企画。
どこに住んで、なんの仕事をしていても、いつでも「それ」を感じていたい。それがまさに、私たちの「好き」なのですね。
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