疑問1に関しては、最近になってジェームズ・キャメロン監督自身がその可能性を検討して、ふたりが助かった可能性はあると認めていましたよね。でも、ふたりが乗っかったらきっとその重みでドアは沈み、身体が浸かる海水はものすごく冷たくて、結果としてジャックもローズも海水による低体温症で死んでしまっていたのではないか、と私は自分を納得させました(笑)。
疑問2。ピカソが売れる前からその才能を見抜くほどの審美眼を持つローズ。その彼女に「絵が上手」と賞賛されるジャックだから、アメリカに行ったらハンサムで絵が上手い画家として成功した可能性は充分あったはず。
そしてアメリカならば当時でも階級社会がないから、ローズが「碧洋のハート」を売ったお金で新生活をスタートさせて、ジャックは絵を描き、ローズも創作(冒頭で粘土を捏ねて器のようなものを作っているシーンがありましたよね?)をしながら、仲良く暮らせていたような気もします。
というわけで、改めて見返すと、昔とは違った視点から冷静にローズとジャックの関係を分析できたりするし、また観終わったあとに、それぞれの検証を突き合わせて語り合うのも盛り上がって楽しそうです。
ちなみに私がいちばん印象に残っているシーンは、沈みゆく船室のベッドの上で死を覚悟して抱き合う老夫婦。悲劇的な事故ではあるけれど、あんな風に長年連れ添った愛する人と一緒に死ねるのって、最高にロマンティック。一瞬の短いシーンなのに、なぜかすごく胸に残っています。
そんなわけで、IMAXで観る迫力満点・見どころ&突っ込みどころいっぱいの『タイタニック』、絶対観に行かなくちゃ!
<作品情報>
『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』
監督・製作・脚本・編集:ジェームズ・キャメロン
出演:レオナルド・ディカプリオ/ケイト・ウィンスレット/ビリー・ゼーン/キャシー・ベイツ/ビル・パクストン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
© 2023 by 20th Century Studios and Paramount Pictures.
2月10日(金)より2週間限定 劇場公開
構成/山崎 恵
前回記事「ドラマ『美しい彼』のヒットにみる日本の変化。同性婚を認めても「社会が変わってしまう」なんてことはない【シーズン2スタート】」はこちら>>
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