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先日、エナジードリンクを原因とする、子どものカフェイン中毒の報道がありました。コーヒーや緑茶に含まれていることもあり、身近な存在である「カフェイン」ですが、適正な摂取量はどの程度なのでしょうか? また、カフェイン中毒とは、どのような症状なのでしょうか? 山田悠史医師に聞きました。

 

教えていただいたのは……

 

山田 悠史
米国内科・老年医学専門医。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国の総合診療科で勤務。新型コロナ専門病棟等を経て、現在は、米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事する。フジテレビライブニュースαレギュラーコメンテーター、NewsPicksの公式コメンテーター(プロピッカー)、コロナワクチンの正しい知識の普及を行うコロワくんサポーターズの代表。カンボジアではNPO法人APSARA総合診療医学会の常務理事として活動。著書に、『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』『健康の大疑問』(マガジンハウス)など。
Twitter:@YujiY0402

編集:「カフェイン」は、コーヒーや紅茶など、多くの方にとって身近な飲み物に含まれていますよね。私も仕事をしながらカフェラテを飲む習慣があるので、「カフェイン中毒」は人ごとではないな、と思いました。1日にどれくらいの摂取量であれば、安全なのでしょうか?

山田:人によって代謝が異なるため、実際には個人差があるのですが、健康的な成人であれば1日に400mg程度、と言われています。コーヒーであれば、4杯程度ですね。

編集:私は4杯も飲むことはないので、安心しました。ただ、子どもの場合は、さらに気をつけたほうがよさそうですね。エナジードリンクは自販機などでいつでも購入できるため、少し心配です。

山田:そうですね。お子さんは、カフェインへの感受性が高いことが知られています。カフェインの安全な摂取量目安は、体重1キロ当たり2.5mgですので、体重が20キロのお子さんであれば、1日に50mgまでです。

ところが、エナジードリンクには、一本当たり120mg〜200mgのカフェインが入っていることがあります。お子さんであれば、一本飲むだけで、1日に安全に摂取できる量を超えてしまいますよね。そうした場合、カフェインのデメリットである、中毒症状が出ることがあります。