今回のブログは実家福岡からです。体調を崩して入院していた母が無事退院してきたので、妹と私が交代で実家に滞在しています。
母はまだ体力が回復するのに時間がかかるので、福岡滞在中は仕事はオンライン、それ以外の時間は母の介護です。
1日3回の料理、後片付け、掃除、洗濯、買い物、母のマッサージ、お庭のお手入れ、様々な場所の整理整頓などなど、やることが山のようにあり、時間が矢のように過ぎて行きます。
そんな中、食器の整理整頓をしていて気づいたのが、リビングにあるお客様用の食器棚が、今、ほとんど稼働していないことでした。
そこには、遥か昔の局アナ時代に母と一緒に集めた、ヨーロッパのブランド食器が、ずらりと並んでいます。

今は懐かしい、イギリスのウェッジウッド、フランスのジョルジュボワイエ、イタリアのリチャードジノリ、ハンガリーの名窯ヘレンドなどなど、、。

数年前までは、お客さんにコーヒーを出すときに母が使っていたようですが、最近はもっぱらおもてなしもお抹茶とのことで、ますます洋食器の出番なし、、かつて華やかに食卓を彩ってくれていたジノリやウェッジウッドたちは今、化石のように眠ったままとなっていました。
昭和バブルの頃に想いを馳せながら、あらためて眺めてみると、どの食器も美しく状態もいい。(定番の柄のものは、現在愛用されている方もいらっしゃると思います)
「そうだ、私がいる間に、普段使いで復活させよう、、」
母が一人の時はいつも、朝食にはなんの変哲も無い白いお皿を使っているようですが、私が滞在中は、これらを積極的に使うことに。
早速、朝食用として、ハムチーズトーストやフルーツを、ウェッジウッドの「ワイルドストロベリー」、ジノリの「クリッパー」などのデザート皿に載せてみました。

デミタスの小さな受け皿にイチゴを盛ったり、カップの方を一口スープ用として使うと楽しい。
ちなみに、小豆が大好物の母のために、久しぶりに小豆を炊いて小倉トースト作りました。


また、裏庭に勝手に出てきたふきのとうに、チーズを加えスクランブルエッグにしてトーストにのせたら、春の香りいっぱいで美味でした。


さらに、おやつの時間は、ジョルジュボワイエ「ペルサーン」のデザート皿にチョコレートを並べてみたりしました。

とにかく、眠っていたお客様用食器を、本来の用途にはこだわらず、毎日食卓に登場させたら、母大喜び。
「ジョルジュボワイエは、私が好きだったから、あなた達(私と妹)からの定番誕生プレゼントだったわよねー」とか
「このヘレンド、香港旅行の時に買ったの覚えてる?かなり高価だったけど、記念になるから思い切って買って、あの頃は毎日眺めてうっとりしてたわ」
「ワイルドストロベリーのこのカップ、〇〇さんから結婚祝いにいただいたわよね、、あの方お元気かしら、、」などなど、
母の表情が明るくなり、食事中のおしゃべりが、とにかく盛り上がるのです。
眠っていた食器たちがすっかり目を覚まし、母の記憶の奥底にあった楽しい思い出をどんどん蘇らせてくれたようで、食器たちにも大感謝です。
ささやかすぎる暮らしのアクセントで、退院後ちょっと元気がなかった母の心に明かりが灯りました。
器の力って、大きいですね。

明日は、母の宝物、ヘレンドのカップに、ハーゲンダッツアイスとイチゴを盛り付けて、おやつに出そうと思っています。
またまた昔話に花が咲きそうです。
#ウェッジウッド #リチャードジノリ #ヘレンド #ジョルジュボワイエ #ふきのとう #堤信子
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