取材でデンマークのコペンハーゲンに行った時のこと。冬の朝はまだ薄暗く、最上階のホテルのレストランも人はほとんどいません。テーブルにつくと、たっぷりの大きさの魔法瓶が置いてありました。入っていたのは、熱々のコーヒー。好きなだけ、座ったままでコーヒーを注ぐ。たったそれだけのことが、とても豊かでした。寒々とした冬の朝が、一気に温かくなりました。魔法瓶なんて、もう死語かもしれませんね。でも、このときのポットは魔法瓶という言葉がぴったりだったのです。北欧のステルトンというブランドは、色も形も絶妙なバランスです。いちいちお湯を沸かすというエネルギーの無駄を省く意味からも、魔法瓶を見直してみたいと改めて思いました。