マスクが絶賛する、SFの歴史を変えた名作
SF作家のアシモフは、60年近く前に自動運転車の登場を予言していました。1964年にニューヨーク・タイムズに掲載された2014年のニューヨーク万国博覧会を予想する記事で、「『ロボットの頭脳』を備えた車両の設計には多くの努力が注がれるだろう」とアシモフは語っていました。自動運転車がたくさん展示されるような世界です。
実際に2014年にラスベガスで開催されたCES(国際家電見本市)では、ドイツのアウディなどが自動運転の試作車のデモを実施しました。2022年時点で自動運転車の開発は加速しており、高速道路などを自動運転で走行できる世界がすでに現実になろうとしています。
そんなアシモフの作品として紹介したいのは、アシモフが1940年代に執筆を始めた『ファウンデーション』シリーズです。「SFの中でもアイザック・アシモフ(の作品)は本当に偉大だ。とりわけファウンデーションシリーズは史上最高傑作の1つと言える」。マスクは本シリーズをこう絶賛しています。
『ファウンデーション』シリーズの世界観とは…?
ファウンデーションシリーズの舞台は1万2000年続いてきた銀河帝国です。長く繁栄してきた銀河帝国は衰退を始めていました。危機感を持った元宰相で数学者のハリ・セルダンは、人類の未来を予測する「心理歴史学」により、帝国の崩壊を予見します。心理歴史学とは、歴史、社会学、数学的な統計を組み合わせて、銀河帝国のような非常に大きな集団の人々が将来どのように行動するかを予測する架空の学問です。
心理歴史学により、帝国の崩壊で「3万年の暗黒時代が到来する」と予測したセルダン。3万年の暗黒時代を1000年に短縮するために、全人類の知識を集約する銀河百科事典を編纂(へんさん)する「ファウンデーション」を宇宙の辺境にある惑星に設立します。
原子力などの先端技術と優れたリーダーを擁するファウンデーションは次第に力を強め、文明と技術が衰退する帝国のほかの惑星を支配下に収めるようになります。強力な帝国軍と対峙することになったファウンデーションですが、巧みに立ち回り危機を乗り越えます。
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