「おりものに血が混じっている……」
「なんだか、おりものの色がおかしい」
「ニオイが気になる」
「下着を汚したくないからライナーが手離せない」

実は、このようなおりものの異変は閉経後によく起こること。常に下半身をソワソワ気にしていると生活の質が下がってしまうし、自分に対する自信もなくなる一方です。

まずは、閉経によっておこる「おりもの」の変化を正しく知ることが大切です。
さらに、閉経前からできるケアを習慣化しておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。 

今回はウィメンズヘルス・予防医療の第一人者である対馬ルリ子先生に、閉経後に起こるおりものの変化と危険なサイン、そして不快なトラブルの防止策についてお話を伺いました。

 

膣を守るおりものが減少することで様々なトラブルを引き起こす


「下着が汚れてしまうなど、ときに『やっかいなもの』のように言われてしまうおりものですが、女性ホルモンの分泌が始まる10歳前後から50歳ごろに閉経するまでは、分泌物は常にある状態が普通です。

目から涙、鼻から鼻水、口から唾液が出るのと同じで、むしろ粘膜は湿っていることで守られているのです。膣からでる帯下(おりもの)は、粘膜を守る自然のクリームの役割を果たしています」

年代や女性ホルモン量によって異なりますが、おりものの色が白からクリーム色で、少しショーツが湿る程度の量なら正常範囲。毎日分泌物があることで膣は健康に保たれています。問題は、この自然の保湿クリームの分泌がなくなる閉経後なのです。

「おりものは閉経を機に変化が顕著に訪れます。女性ホルモンの低下により、膣を保湿してくれていたおりものの分泌量が減り、潤いが奪われ渇いてしまうことで、さまざまなフェムゾーンのトラブルを引き起こします。そのトラブルが『閉経後のよくないおりもの』として現れてくるのです。まずは、その身体の変化を正しく理解することが大切です」