そもそも国際女性デーの起源を遡ると、諸説あるものの、1904年3月8日にニューヨークで女性労働者が婦人参政権を求めてデモを起こしたことがきっかけだと言われています。その後、1975年に国連が3月8日を「国際女性デー」と制定。女性の社会での素晴らしい活躍と勇気ある行動を称える日として、世界中でさまざまな催しが行なわれるようになりました。
そして、在日イタリア商工会議所によると、国際女性デーにイタリアで男性から女性にミモザが贈られるようになったのは、2〜3月がイタリアでミモザが開花する季節だったからだとか。まだ肌寒い季節に咲くため「強い女性」の象徴とされ、誰もが手に入れやすいこともあり、イタリアでは3月8日に街中にミモザの花が溢れているそうです。
堅苦しいルールなんてありませんし、強い思想を持っていなくていなくても大丈夫。イタリアの男性はアモーレだけでなく母親やお世話になっている身近な女性にもミモザの花を渡すそうですし、近年は女性同士でも感謝の気持ちを込めて贈り合うこともあるのだとか。「バレンタインデー発祥の国」とも言われているイタリアは、愛情表現に関わる文化が根付きやすいのかもしれません。
というわけで、筆者もミモザの花を妻にプレゼントしてみました。リアクションは「ふ〜ん、ありがとう。ミモザってキレイだよね」。……それだけです。
正直、日頃からマメに感謝を伝えているタイプなので、花を渡すくらいで夫として見直してもらえたり、激しく感動してもらえたりするわけではありません。だから副プレゼントとして、共働きながら妻に任せっきりだった夕飯作りを「まずは休日だけ僕が担当します」と宣言。そちらは大変喜んでくれました。
家庭内レベルでも「女性活躍」を支えたいのであれば、たった1日の祝福で終わらせるのではなく、男性側が自発的に継続的なサポートを提供しなきゃいけませんよね。それを再確認して、行動に移すきっかけを与えてくれただけでも、筆者にとって「ミモザの日」は非常に価値のある1日になりました。本音を言えば、自分(男)の負担が増えるようなことは考えたくありません。でも、鈍感なまま生きていたら、妻や娘からモテなくなりそうだし、周囲の女子からも疎まれるオジサンになりそう。それだけは嫌です。イタリアのメンズだって、そういうシンプルなモチベーションで動いているような気がします。
ミモザの正確な流通時期は分かりませんが、恐らく4月まで花屋さんに並んでいるはずです。爽やかな黄色い花なので、バラを買うよりも恥ずかしくありません。3月8日に乗り遅れてしまった諸兄も、まだ遅くないですよ。女性が自分自身を励ますために自宅に飾るのも良さそうですね。
取材・文/浅原聡
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