おはようございます。

まだまだ極寒のアメリカ東海岸。日中でも氷点下の日が続いています。全ての移動は車とはいえ、毎日重ね着で過ごしています。

でも雑誌もお店もファッションの世界はとっくに春。グレーやネイビー、ブラックの量感のある冬のファッションから、透明感のある素材や色を見ているだけで早くセーターを脱ぎたくなりますね。

さて、そんなファッションの世界から、この春ひときわ目を惹く広告を見つけました。それがこちらのCELINEの広告キャンペーン。

調べてみたところ、こちら現在80歳になるアメリカの作家、エッセイストである Joan Didionという女性。VOGUEのエディターを経て小説や書評、映画の脚本や新聞雑誌への寄稿など半世紀にわたって執筆活動を続けている方なのだとか。

CELINE 2015 SS AD キャンペーンから。こちらのJoanだけでなく、他のビジュアルもモデルさんではなく、バレエの振付け師などmi-mollet のコンセプトと同じように、「リアル」ウーマンが登場しています。

 

ファッションやビューティの世界ではリアルな顧客の年齢層よりもうんと若いティーンエイジャーを使って広告キャンペーンをすることがほとんど。 最近でこそ、90年代に活躍したスーパーモデルの復活やマドンナ、Jloといったアラフォー以降のファッションアイコンのセレブリティを起用するケースも多いですし、スタイルアイコンのケイト モスも未だ影響力の衰えない存在感ですが、さすがに80歳はスーパーブランドのファッション広告でも最高齢記録なのでは。

ビューティの世界で常にクリエイションと数字のせめぎ合いをしてきたわたしにとって、「80歳のリアルウーマンをモデルに起用」というこの大胆なクリエイティブを経営陣に認めさせるCELINEのブランドとしての自信と実績には脱帽ですが、ここに込められたメッセージ、これから悩み多き40代を過ごす私たちにとって決して小さいものではないと思えました。

自分の軸を持って、人生を送っていけることや、やりたいことと、自分に出来ることが一致していて、社会に心地よい居場所がずっとあることとか。自分のスタイルと美意識で毎日を紡いでいくこととか。

それが80歳を超えてもまだ女性としての威厳や自信を感じさせる存在感として表出してくるのかと改めて思わせてくれる力強い1枚でした。

わたしも、年齢を重ねても、その途中のどこかで自分を諦めてしまうのではなく、自分らしさをずっと持って、表現していたいと思っています。

端的に言うと、理想はいつまでも現役で、「定年のない仕事があること」。仕事が仕事ではなく、自分の人生にとって大切なライフワークで、それが社会に求められ、貢献できる何かであること。それが自分の身の丈に合っていて、決して無理がないことも大切でしょう。自分を毎日突き動かす何かを持ち続けて、背筋を伸ばして生きていきたいと、昨年PLANTOLOGYを立ち上げたからこそ、よけい強く感じるのかもしれません。

40歳の今。もう40だから、ではなく、まだまだ長い人生をどう歩いていくかを「年甲斐もなく」わくわくと考えられるようになったのは、アメリカにいるおかげかもしれませんが、実は何年も前から日本にも憧れの女性がいます。

そのお1人が、内海桂子師匠、大正11年生まれの御年92歳。

今でも毎日しゃんと着物を着て過ごし、浅草の舞台にも立つ。小気味良くお酒と食を楽しみ、若い芸人さんとの交流もしなやかに楽しむ。まさに酸いも甘いも数々の修羅場も歴史も噛み分けて来た師匠の毎日と言葉の小気味良さは本当にカッコよく、Twitter @utumikeiko もいつも楽しみに拝見しています。

死ぬまでずっと現役でいることを、こういったカッコいい先輩たちを見ながら、いつも頭の片隅で考え続け、いくつもの夢や妄想を紡いでいます。

ステキに年齢を重ねた人生の先輩やお手本、わたしのこれからの夢については、これからもこちらのブログで折にふれ書いていきたいと思いますが、皆さんはどんな女性と人生が思い浮かびますか?

雅子

Instagramで日々の記録も。

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