「ウロギネ」という言葉を聞いたことがありますか?

ウロ「Urology=泌尿器科」とギネ「Gynecology=産婦人科」を合わせたウロギネコロジー「Urogynecology」の略称で、婦人科領域と泌尿器科領域が重なる部分である、女性の骨盤や排尿、外陰部の悩みを診てくれるお医者さんのことを指す言葉です。

このウロギネは閉経後の女性にとって強い味方となりそう。

なぜなら、閉経後や更年期以降は女性ホルモンの低下することによって、腟のかゆみや痛み、尿漏れ、性交痛、骨盤臓器脱などの「おしも」の悩みが増加するから。

尿漏れは泌尿器科に、膣のかゆみは婦人科に……と2つの病院に通うのも大変だし、そもそも不調の原因はつながっていることも。「おしも」の不調は病院に行くこと自体も心理的ハードルが高いので、女性の身体への理解が深い医師が必ずいる「ウロギネ外来」なら安心できるはずです。

今回は、婦人科の診療にも明るい泌尿器科医・平本有希子先生に、ウロギネの病院の探し方と、ウロギネにかかるといい症状についてお伺いしました。

 

泌尿器科+婦人科の知識を持つ診療科、ウロギネとは?


ウロギネとはその名の通り、泌尿器科医と産婦人科医の両方の知識を持ったお医者さんのことで、治療の選択肢が多いこと、女性の身体特有の症状を包括的に診ることができるのが特徴です。

「たとえば40代前の女性なら、子宮の痛みや生理についての悩みなどは婦人科に行かれる方が多いと思います。

しかし更年期に入り、頭痛、腰痛、ホットフラッシュ、膣のイガイガ、尿漏れ、メンタルの落ち込みなど、さまざまな症状に襲われるようになると、いったい何科にいけばいいのか迷ってしまいますよね。

特におしもの悩みは、それが婦人科系の不調なのか、泌尿器系なのか、ご自身ではなかなか判断がつかないと思います。

そんな時、閉経前後の女性が受診する選択肢としてオススメなのが『ウロギネ』。婦人科と泌尿器科の双方の知識をもって診察してもらえるので話が早いです!」

 

そもそも「泌尿器科」は、その名前から、入りにくいイメージを抱く人が男女問わず多いといわれています。近頃は、心のハードルを下げ受診しやすくするために、「ウィメンズクリニック」や「メンズクリニック」と名前が変えている医院も増えてきているそう。

ウィメンズクリニックと看板を掲げている病院の中には、「ウロギネ」という名称がついていなくても、婦人科の知識を持つ泌尿器科や、泌尿器科の知識も持つ婦人科の先生が診察してくれるところがあります。実際、平本先生は泌尿器科医ですが、外来では尿漏れのお悩みや子宮脱などの症状まで、ウィメンズヘルスをサポートしています。そういう医療機関はどのように探せばいいのでしょうか?


「今はまだ『ウロギネ』と看板を出している病院やクリニックはとても少ないですが、婦人科と泌尿器科の両方の知識がある先生は多くいらっしゃいます。

まずは病院のウェブサイトをチェックしてみましょう。見るポイントは院長先生の専門分野です。在籍する医師は院長の専門分野について集まることが多いので、院長先生の専門がわかると、その病院が産婦人科、泌尿器科のどちらも診ることができるかどうかがわかります。加えて、扱う患者さんは、更年期、ポスト更年期なのか。どんな病気に強いのかなど、守備範囲もある程度わかります」

 
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