会ったこともない人のネガティブな噂話に振り回されるのは好きじゃない


——どんな業界にも大きなプロジェクトを裏から操るフィクサーが存在すると思いますが、大人の権力争いに巻き込まれそうなったら、内田さんはどうやって対応するタイプですか?

内田:残念ながら、私は利用されていることに気づかないタイプです(笑)。数年後に裏事情を聞かされて、ようやく自分の置かれていた状況に気づくこともあって。きっと人の腹黒い企みを察知するアンテナが備わっていないんです。ただ、もし私がそうなっても「そういう運命だったのね」と受け入れると思いますね。で、グッスリ寝て忘れる。そして次にチャンスに向かって頑張るだけです。

「誰かに利用されていると気づいても、運命と受け入れる」内田有紀を支える鈍感でいる力と実直な準備_img3

 

——社会派のドラマが好きとおっしゃったので、普段もリアルな裏事情をチェックされているのかと思いました。

内田:いわゆる“大人の事情”に気づかないだけで、何が起きているのかを知ることは嫌いじゃないんです。もし誰かがズルいことをしていると知ったら、徹底的に調べてその出来事の裏を知りたいと思います。そういったジャーナリズム精神らしきものは、沢村玲子に近い部分があるかもしれません。でも会ったこともない人のネガティブな噂話を聞かされるのは好きじゃないし、聞いても信じないようにしているんです。とくに一緒にお仕事をする人は、自分が直接会って話してみた感覚を信じて接し方を決めるようにしています。