恋愛ドラマオタクの私ですが、『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)を観てからというもの、“友情モノ”にどハマりしております。
そこで、「めちゃくちゃ泣ける」と噂の韓国ドラマ『39歳』(Netflixで配信中)を視聴してみたんですよ。40代を目前に控えた親友3人組の人生を掘り下げていくヒューマンドラマなのですが、これまた良かった。
恋愛の要素もあるけれど、彼女たちの主軸はあくまで友情。素敵な恋人とは、まためぐり会えるかもしれない。でも、こんなに奇跡的な友情は二度と育めないと分かっているから。まさに、“女の友情なんて当てにならない”という刷り込みを上書きしてくれるドラマなんです。
“ヒロインの女友達”は、恋人がいない寂しさを埋めるだけの存在じゃない
最近、女同士の友情の描き方が変わってきている気がするんですよね。これまでのヒロインの親友といえば、恋を応援したり、失恋した時の“受け皿”としての役割を果たすことが多かった。でも、近年のドラマは一緒に生きていく“同志”のようなポジションを担うこともある。
もちろん、80年代〜90年代にかけても、“W浅野”で話題を集めた『抱きしめたい!』(1988年、フジテレビ系)や、安田成美×中森明菜が主演を務めた『素顔のままで』(1992年、フジテレビ系)のように、恋愛<友情のドラマはありました。でも、極めて稀だったと思うんです。それに、恋愛がほぼ介入しない作品って少なかった。
だから、『ブラッシュアップライフ』には“新しさ”を感じたんです。あーちん(安藤サクラ)、みーぽん(木南晴夏)、なっち(夏帆)、まりりん(水川あさみ)の仲良し4人組は、30になっても、40になっても、結婚に対する焦りがほぼない。
ある程度年齢を重ねた未婚女性が集まると、「結婚相手見つけなきゃ」とか、「子どもを産むなら……」とか、トークの議題が“パートナーがいないことへの不安”になることがありますよね。なんなら、「老後どうしよう」まで話が飛躍することもある。
だけど、『ブラッシュアップライフ』の4人は、「いいじゃん、このままで。おばあちゃんになったら一緒に住もうよ」と約束して、それを実現させちゃうのだから、すごい。“ヒロインの女友達”はもう、パートナーがいない寂しさを埋めるために存在するものじゃないんだなって。女同士の連帯をテーマにしたシスターフッド作品の枠が広がったような気がしました。
『39歳』『ブラッシュアップライフ』に次ぐ作品は?
『ブラッシュアップライフ』ロスになっていた時、ふと『日曜の夜ぐらいは…』(ABCテレビ・テレビ朝日系)の予告を観たんです。そしたら、清野菜名さん演じる主人公・サチが、「恋愛なんか奇跡じゃない。友情こそが奇跡だ」と言っていて……。うわぁ、こんなに言い切ってしまっていいのか!? とハラハラしつつ、楽しみが倍増しました。
恋愛がすべてじゃない風潮が強くはなってきているものの、“恋愛なんか”とまで言ってしまうドラマって、少ないですよね。昨年放送の『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ・フジテレビ系)のヒロインも、“恋なんて”と言いながら恋愛沼にズブズブとハマっていたし。
それに、『39歳』は高校時代、『ブラッシュアップライフ』は幼稚園からと“親友歴”が長いから、絆が深いのも分かるんです。でも、『日曜の夜ぐらいは…』の3人が友達になるのは大人になってから。とあるラジオ番組をきっかけに、運命的な出会いを果たすようです。
そういった部分も含めて、希望を与えてくれる作品になりそうですよね。大人になってからでも、“奇跡”とまで思える友達を作ることができるんだ! って。
どのような方向に舵を切っていくのかはまだ分からないけど、『最後から二番目の恋』(2012年、フジテレビ系)や、『姉ちゃんの恋人』(2020年、カンテレ・フジテレビ系)などで知られる脚本家・岡田惠和さんが描く物語は、必ずどこかに希望の芽を残してくれる。“豊作”と言われている4月期のドラマのなかでも、とくに楽しみにしている作品です。
前回記事「『罠の戦争』最終回にロス続々...視聴者を惹きつけたのは、復讐の裏で光った女性たちのカッコ良さ!」はこちら>>
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