資産家の夫の、驚きの言い分とは……


「同情心もあるかもしれませんが、結果は全員が『きちんと話し合って生活費をもらったら?』との回答でした。家賃や光熱費等は夫に払ってもらっているし、交渉すれば『救済金』がもらえるとはいえ、産後という状況、家事育児はもちろん私の方がしているので、妻が安心できるくらいの環境は整えてもらってもいいんじゃないか? とのこと。

特に年上の男性はお金に対して大らかな印象で、同年代の知人にしても『旦那さんの感覚もわかるけど、そんなにストレスを溜めるならもらった方がいい』、『そもそも彩乃ちゃんの旦那さんはお金がないわけじゃないんだから』という感じでした。また皆、やはり私が玉の輿婚をしたと思っていたので、お金に困っていることには総じて驚いていました」

ヒアリングを終えた上で、やはり自分がお金に困っていたのは「普通ではなかった」と認識した彩乃さんはつい感情が昂り、平日の日中という時間に関わらず、ご主人に何度も電話をかけたそう。

そして無防備な夫に、その感情をぶつけてしまいました。

「私がお金がなくて困っているのは、やっぱり理不尽だった。結婚していて私だけこんなに余裕がないなんてありえない! と、まくし立ててしまったのですが……。どこまでも穏やかな夫は『そっかあ』『そうかなあ』『うーん』と、いまいち理解していない様子で。

だから、さらに聞いたんです。あなたのお母さんや妹も専業主婦だけど、どうやって日々暮らしてるの? 彼女たちだって夫からお金をもらってるはずだって」

するとご主人は、彩乃さんが予想もつかなかった回答を口にしました。 

「生活費をくれない」資産家の夫に“貧乏セレブ妻”が怒りの抗議!妻にお金を渡さなかった夫の、衝撃の言い分_img0
 

「彼、何て言ったと思いますか? 『僕の母や妹は、株の配当金や生前贈与、不動産収入とかがあるから、特に誰かからお金をもらったりはしてないと思うよ』って……。この瞬間、プチンと何かが切れました。

私はあなたの家族のように生まれながらのお金持ちじゃない! ごく一般家庭の出身で、不労所得もなければ親からお金ももらってない。どうして私の状況を理解できないの!? と……。夫は電話越しに突然キレた私に驚いていましたが、結局話し合いの上、これまで通り育児にかかったものは請求形式、プラスで10万円のお小遣いをもらうことになりました」

 

お話を聞いていると、感覚の違いはあるとはいえ、センシティブなお金の話題になったとき、ご主人が戦闘モードにならないことは非常に良いことだと思います。

彩乃さんにしても、このときばかりは感情的になってしまったものの、限界までご自身でやりくりしたり、不満が募った際も冷静に知人の意見を聞いた上でご主人に交渉を持ちかけたりと、基本的にはお互いを尊重する仲の良い夫婦という印象がありました。

月に平均50万円ほど使うという彩乃さんは、一般的には出費が多い方かもしれません。けれど小さなお子さんがいること、また富裕層エリアに身を置くと、物価や交友関係によりどうしても出費が嵩むのだろうと思いました。

「この10万円で危機的な状況は回避できたと思いますが、それでも基本的に私の財政状況は毎月マイナスでした。周囲の余裕のある友人のように好きにお金は使えない。

たまにおしゃれがしたくなって、綺麗な格好をして、売らずにとっておいたヴァンクリーフ&アーペルのジュエリーやシャネルのバッグを持ってふらっと六本木ヒルズなんかに寄っても、私にはエストネーションで買える物がないんです。セレブなんて表面的な印象だけで、600円以上するカフェラテを買うのがもったいなくて、チェーン店のコーヒーショップに移動したり。

女優の仕事も続けたかったけど、なかなか収入が増やすのは難しく……。しばらく頑張ってみましたが、そんな状況が嫌になってしまい、もう芸能界を辞めて普通に働こうと考えました」