作家・ライターとして、多くの20代~40代の男女に「現代の男女が抱える問題」について取材をしてきた佐野倫子。その赤裸々な声は、まさに「事実は小説より奇なり」。社会も価値観も変化していく令和の夫婦問題を浮き彫りにします。
今回検証するのは、若くして結婚した由真さん。看護学部を卒業後すぐに見初められて結婚した彼女を待っていたのは、まるで奴隷のような「たった17万円でフルタイム看護師と開業雑務と経理に家事、全部こなすサブスク結婚生活」でした。
元夫の修(おさむ)さん(仮名): 50歳、神奈川県在住の内科開業医。
狙われた幼な妻
「小さい頃から、誰かのお世話や、こまごまと動くことが大好きでした。生粋のアシスタント体質といいますか……そのためかなり早い時期から、看護師になって患者さんやお医者さんの役に立ちたいと思っていました」
ほんわかした雰囲気で、癒し系の由真さん。取材場所のカフェにいらしたときにも、開始10分ほどお話ししただけですっかり得も言われぬ居心地の良さを感じました。通常、インタビュアーである筆者はお話を引き出すために多少の緊張感を隠して心を砕くのですが、由真さんを前にすると不思議にこちらがリラックスし、親密な気持ちになります。そのことを率直にお伝えすると、由真さんはさらににこにこしながら、語ってくださいました。
「ありがたいことに、学生時代も、由真といると安心する、癒されるなんて言ってくれる友人が多くて。自分ではよくわからないんですが、多分複雑に作戦を立てるタイプではなく、ものすごく単純な思考なので、安心していただけるのかな? 癒したい、喜んで欲しい、という気持ちをもとに行動しているときが一番、元気です。
でも、この特徴が、今思うと元夫に目をつけられたのかも。彼は、とにかく『自分の3つの目的』を叶えてくれる女を探していました」
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