40代で結婚したからこそ、よかったこと


井筒さんが結婚してよかったと感じることは、いくつもあるという。まず1つは、未来のことをちゃんと考えられるようになったこと。

「一人の時は、いつか猫を飼いたい、いつか家を買う? などと思っていても決められないことがいっぱいあったし、そもそも未来について考えることがありませんでした。でも、ツーさんは犬派なのに、一緒に迎え入れてくれて、念願の猫を飼うことができたし、将来的にはあの場所にこんな感じで住もう、などと考えられるようになったのは大きな変化です」

パリで出会った夫は12歳年下。40代で結婚したからこそ、よかったと思うこと【エッセイスト井筒麻三子さん】_img0
 

また、ずっと「結婚しろ」と言っていた両親を安心させることができた上に、ツーさんの両親とも縁ができて家族の輪が広がったことも、気持ちの上で安定をもたらしたといいます。いずれにせよ、40歳を過ぎてからの結婚だったことが大きいという井筒さん。

 

「20代の時に結婚していたら、結婚するのが当たり前と流されて結婚していたはずなので、途中で『なんで私はこんなことをしなきゃいけないんだろう?』と不満が出てきたかもしれません。でも、この年齢だからこそ、自分で納得した上で結婚できたわけで、この違いは大きいと思います」

相手が「口から生まれたようだ」と言われるくらいによく喋り、“フランス人みたい”に情熱あふれるツーさんだからこそ、井筒さん自身にも変化を及ぼしているといいます。

「昔の私は、何かに怒ったりしないかわりに、何も期待しない、という感じだったけど、私も自分の熱量が上がったように思います。それに、YouTubeでもそうですが、ツーさんがいろいろしてくれているから、私もしなきゃ、というように、彼が私の中のものを引き出してくれているところもあります」