1980年代「ダイアナ妃フィーバーの裏で模索中?! 女王にもあった年代の節目スタイル」

1986年に撮影。写真:REX/アフロ

色、装飾、デザインともに凝って華やかだった60年代から、大きく変化が見られたのが、80年代。この時代といえば……そう、ダイアナ元妃がロイヤルメンバー入りをされた時です。

結婚と同時に、ダイアナ妃フィーバーが巻き起こり、夫である皇太子以上の人気で、意図せず主役の座を奪ってしまったプリンセスは、エリザベス女王の影すらも薄くしてしまっていたかもしれません。そんなことが関係あるのかないのかは置いておくとしても、同時期のエリザベス女王のファッションは一気にコンサバなものへシフト。

上質素材の美しいシルエットとはいえ、デザインはベーシックでシンプルに。サイズ感もややゆったり目が特徴的です。これまでと変わらず、お帽子でアクセントをつけられていますが、これもクラシックなデザインが中心に。

この時女王は、すでに60歳というのも驚きですが、実はこの頃から、グレーヘアが目立ち始めていらっしゃいます。それを考慮しながら、年代的に大きくファッションをシフトされようとしていたのがこの頃でした。

全ての年代の中で、最も大人しくコンサバ度が高い時代。若く華々しい義理の嫁ダイアナ妃人気の裏で、実は葛藤されていたのでは? などと、ファッションを通して勝手な憶測をしております。

 

1990年代「グレーヘアへ移行期。最も挑戦的だった女王ファッション」

1990年6月、ポロクラブを訪問。写真:Richard Gillard/Camera Press/アフロ

少し落ち着きのあるファッションに変化したと思われた80年代でしたが、90年代には意外にも、最も派手な時代に突入します。お洋服のデザインこそ、クラシックで伝統的ですが、色は鮮やかになり、光沢のある素材も増え、またカラフルなプリント物も多く見られました。

そして細かいディテールに凝ったデザインも多く、存在感を! とばかりに?! キャッチーなスタイルが目立った90年代でした。しかし一方でお帽子はツバのある帽子型が増え、全体的な印象はマダム的。

グレーヘアもさらに増えたことで、お洋服で印象を華やかにされてたのかもしれませんね。全体的な印象として、母上クイーンマザーのファッションともとても似ていて、一瞬どちらか見間違うことも。

このまま尊敬するお母様のファッションも受け継がれていくのかと思われたけれど……ある人の加入により、ファッションが変化していきます。