女性の身体を全方位的に守っている女性ホルモン。
女性ホルモンの分泌が減少することで、カラダとココロにはさまざまなトラブルが起きてきます。なかでも特に相談しにくい悩みはフェムゾーン(膣と外陰)の不快感ではないでしょうか。
「もう10年以上、お股のかゆみが収まらないんです……」というA子(40歳)さんもその悩みを抱えるひとり。具体的にどのような症状に悩んでいるのか、詳しく聞いてみましょう。
「最初に『かゆい!』と感じたのは20代の終わりごろ。当時は徹夜が当たり前といった超ハードワークな職場で働いていて、慢性的に睡眠不足でした。
そんなある夜、寝る前に猛烈なお股のかゆみに襲われたんです。とりあえずもう一度シャワーで洗い、布団に横になったものの、かいてしまったお股はどんどん熱を持って痛かゆさを増し、その日は結局眠れませんでした。
以来、そのかゆみは日常的に襲ってくるようになりました。かきすぎて出血したこともあります。次第に毛の生えている部分だけでなく内側の粘膜部分までかゆくなり、かいてはかさぶたになるのを繰り返していたので、『どんな状態になってるんだろう』と恐る恐る鏡で確かめてみたら、象の皮膚のように硬く黒ずんでいて目をそむけてしまいました」
かゆみがひどい時には、仕事中でもトイレに駆け込みかきむしり、夜も寝れないほど。もちろんA子さんは病院へも足を運んだと話します。
「私は子どもの頃から肌が弱く、皮膚科にいくのは日常茶飯事。部位が部位だけに気は進みませんでしたが、皮膚科に診てもらうことにしました。
ですが、皮膚科は診察室の仕切りが曖昧なところが多いんです! ほかの患者さんに聞かれたら恥ずかしいからと、お股のかゆみを訴えられずに帰ったことも多々ありました。
個室で診察してもらえる女医さんを探し通院していましたが、処方された軟膏で一時的にかゆみは収まったものの、またすぐにかゆみは復活してしまい、根本的な解決にはなっていません」
A子さんのお股のかゆみはセックスにも支障をきたしました。
「パートナーには絶対こんなボロボロのお股は見せたくない! すぐさま電気を消して、なんとか見せないようにしていました。そもそもかゆみがあるときは、最中もかゆいのです。『もうセックスしたくない!』とまで感じるようになっていきました」
これほどまでに生活に支障を及ぼしているお股のかゆみ。いったい何が原因で襲ってくるものなのでしょうか?
女性泌尿器科医の関口由紀先生は、「フェムゾーンのかゆみや不快感は決して他人ごとではありません。特に閉経後の女性は多くの人が悩む可能性のある問題です」と言います。
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