④ カミラ王妃の王冠とドレス


チャールズ国王の戴冠とともに、カミラ王妃にも戴冠が行われます。
これまでの伝統に反し、カミラ王妃は新たな王冠を作るのではなく、既存の王冠の中から着用されることに。このような“リサイクル”は、18世紀以来始めてのことですが、これも現代のサステナビリティや効率性を考慮されてのことと、新国王ご夫妻らしさが伺えます。

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1911年、ジョージ5世とメアリー王妃。写真:TopFoto/アフロ

選ばれたのは、エリザベス女王の祖母メアリー(オブ・テック)王妃の王冠。
この王冠には、105.6カラット(21.12g)の、かつて最大と称されたダイヤモンド“コ・イ・ヌール”がセットされていましたが、歴史上、所有を巡って争いが起こった末、インド女帝だったヴィクトリア女王の所有となり、現在に至っていました。

しかしその一方でインド独立以降、ダイヤモンド返還の動きが高まり、その動きがエリザベス女王の逝去後さらに強まっていることから、“コ・イ・ヌール”は使用しないことを決められたカミラ王妃。代わりに、故エリザベス女王に敬意を表し、愛用のプライベートコレクションから、カリナンIII、IV、Vのダイヤモンドを使用されます。

戴冠式にお召しになるドレスは、故エリザベス女王、ダイアナ元妃もご愛用だったデザイナー、ブルース・オールドフィールド氏が担当。デザインは勿論、当日のお楽しみですが、エリザベス女王はご自身のアイデアから、イングランドのバラや、アザミ、シャムロック、ラッパスイセンといった英国4国の国花、英連邦諸国を象徴する植物の刺繍をドレスに施されました。果たしてカミラ王妃は、どんな想いを込められるのでしょう。

ローブに関しては、エリザベス女王の戴冠式の際、王配エディンバラ公は赤いベルベットの戴冠式ローブをお召しになっていましたが、こちらも当日のお楽しみです。

 


⑤ 8人のページ・オブ・オナー

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1953年6月2日、エリザベス女王の戴冠式。エリザベス女王の後ろでドレスをまとった6名の女性が“メイド・オブ・オナー”。写真:Mary Evans Picture Library/アフロ

エリザベス女王の戴冠式では、6名の貴族出身の若く美しき“メイド・オブ・オナー”が、選ばれ、アイドル並みの人気を集めたそうですが、今回は、チャールズ国王、カミラ王妃にそれぞれ4人、計8名の“ページ・オブ・オナー”が発表されました。

そんな、ウェストミンスター寺院の身廊を、国王ご夫妻と一緒に行進する“ページ・オブ・オナー”には、ジョージ王子を含むチャールズ国王の孫やゴッドチルドレンたち。そしてカミラ王妃のお孫さんたちが選ばれました。

⑥ 席順


戴冠式に出席か否か、注目が集まっていたハリー王子とメーガン夫人夫妻ですが、結果ハリー王子だけが出席され、夫人はお子様たちとカリフォルニアに滞在。そのことによっても大きく左右されるに違いない、戴冠式での座席問題。

ただでさえ、全てのゲストに対し気を遣う事項にも関わらず、サセックス公爵夫妻と、チャールズ国王ご夫妻&ウィリアム皇太子ご夫妻との関係性によって最難関とも。世界中の注目が集まる中で、ハリー王子の席や並び、立ち位置がどこなのか、チャールズ国王の君主、そして父としての手腕が試されるのです。

私の個人的見解として、ハリー王子お一人での出席となったことで、“次男プリンス”といった家族の立場を強調して関係性の修復を訴える戦略では? と推測しています(笑)。