親が嫌いだったわたしは、娘に嫌われたくない
しかし、そんな不安をよそに「なぜだろう。なぜ、わたしの娘が、こんなに可愛くて優しく育っているのだろう。そんなはずがない」としみじみするほど、娘さんはママが大好きな子どもに育ちました。
「わたしは母と二人で出かけた記憶もないし、母と二人でお茶を飲みながらよもやま話、なんてしたことも、ない。いや、二人で話したことはあった。母が亡くなる前の三か月、確執を解消しようとホスピスへ通い二人きりの空間で言葉を交わした。それが、わたしが覚えている最初で最後の、母娘二人の時間」
自分が娘として母親と接した二人の時間を、そう振り返る青木さんですが、自分が母親として、12歳になった娘さんと接する二人の時間には、こんな会話が寄り添っていました。
「あなたね、親を大切にしなさい」
「またその話?」
「親を嫌うと、大変だから」
「知ってる」
「親子関係が人間関係の基本ですから、仲良くしましょうね」
「真顔! こわ」
「にゃ〜」
「何? ママどういうこと?」
「猫の真似」
「ヤバ」
わたしは、にゃ〜仲良くしましょうにゃ〜と叫びながら娘を追いかけ始めた。
親が嫌いだったわたしは、娘に嫌われたくない!
――『母が嫌いだったわたしが母になった』より
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