「障害年金」がもらえなくなる! 年金未納のリスクは大きい

今どれだけ健康だろうと、明日事故に遭って身体が動かなくなる、といった可能性は誰にでもあります。そんな時、条件を満たせば障害年金を受給できます。その条件はいくつかあり、詳しくは日本年金機構の「障害年金ガイド」(令和5年度版)なども参考にしていただきたいのですが、筆者自身が「国民年金の未納はヤバイ」と恐れ慄いたのが「保険料納付要件」についてです。障害年金は、重度の障害を負ったりして生活がままならなくなった時に支えてくれるとてもありがたい制度ですが、納付要件を満たしていなければ1円ももらうことができないからです。

 

これまでに未納期間なく年金を納めている方、特に会社員で厚生年金を天引きされている方はあまり心配する必要はないと思いますが、筆者のような自営業だったり、厚生年金と国民年金を何度か切り替えてきた方は、未納期間がないか今一度点検してみるといいかもしれません。ここでは、「うっかり未納」も起こりやすい国民年金を元に、障害年金の納付要件を見ていきたいと思います。

障害年金(国民年金に加入者の場合は障害基礎年金)の納付要件は、「初診日の前日において、初診日がある月の2カ月前までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付期間と申請による保険料免除期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間も含む)が3分の2以上あることが必要とされています。

⚫︎「初診日」とは……障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日をいいます。同一の病気やけがで転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となります。(日本年金機構「障害年金」ハンドブックより)

この要件を満たしていなくても、令和8年3月末日までの特例として、「初診日の前日において、初診日の属する月の2カ月前までの直近1年間に保険料の未納がなければ、納付要件を満たすものとする」とされています。ただし、初診日において65歳未満の方が対象です。

つまり逆を言えば、20歳~初診日がある2カ月前までの間に一定の未納状態が続いている、あるいは直近1年間で未納期間があると納付要件を満たせず、障害年金が受給できない可能性があるのです。

でも、年金って2年間は遡って納付できるよね? と思われるかもしれませんが、実は、初診日以前の分を後から遡って納付したとしても、受給資格期間にはカウントされません。あくまで、初診日を迎えた時点での納付要件が問われるのです。ですから、日頃から年金を切れ目なく納付することがとても重要です。何かあってからでは、手遅れになるリスクが高まるからです。