【場面にあわせたお心遣いも雅子さまのスタイリングの魅力】
2019年8月「第47回フローレンス・ナイチンゲール記章授与式」にて

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2019年8月7日、東京都港区・東京プリンスホテルにて。写真/毎日新聞社/アフロ

石原裕子さん:「フローレンス・ナイチンゲール記章授与式」という場面でのコーディネート。昔の看護師制服は「ウィングカラー」と呼ばれる襟のかたちがよく用いられていましたから、そこからイメージして、ウィングカラーのジャケットを選ばれたのでしょう。

白一色のスーツスタイルでありながら、レースモチーフを帽子と襟、袖、裾にもあしらっていて、華やかで可愛らしくデザインされています。こちらもボーラーの帽子ですが、レースがあることで可愛らしくエレガントな帽子になっています。ボーラーはあしらい方でいかようにも雰囲気が変えられる帽子ですが、雅子さまは本当にいろんなスタイルを表現されていますね。

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【白に近い、繊細なブルーの色味を生かしたスタイリング】
2023年5月「全国赤十字大会」にて

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2023年5月18日、明治神宮会館(渋谷区代々木)にて。写真/JMPA

石原裕子さん:こちらのジャケットはショール・カラーでエレガントです。淡いブルーのお色も素敵ですね! 「甕覗(かめのぞき)」と呼ばれる日本の伝統色を思わせる、水のなかに青い絵の具を一滴垂らしたような、本当に淡い繊細な色です。

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2023年5月18日、明治神宮会館(渋谷区代々木)にて。写真/JMPA

ドレープのしぼりが効いていて布の流れが美しいジャケットですね。紐細工のボタンに、アシンメトリーのジャケットのあわせ、布地もしぼのある着物地のようなシルクで特徴があり、語るところの多い一着です。帽子も、スーツと同じしぼのあるシルクをクラウンの高さギリギリまで巻くことで一体感が生まれ、より一層落ち着きと風格が際立つ装いです。よく被られているボーラーのデザインほどブリムの立ち上がりはなく、すっきりと見えますね。

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