耳が聞こえない親のもとで育つ耳が聞こえる子供のことを、CODA(コーダ)と言います。作家の五十嵐大さんはCODAとして育った経験から、障害やマイノリティについての取材・執筆活動を行っています。そして筆者は精神障害を持つ父親のもとに育ち、現在は貧困や格差を中心とした社会問題を中心に取材・執筆をしています。障害者の親を持ち、社会的弱者に取材することもあれば、自分が取材されることもあるという共通点のある作家同士、「障害者=可哀そうなのか」、「メディアが人の困難を過剰にセンセーショナルに描きたがる問題」など、普段なかなか話せない話題について率直に語り合うこの対談。今回は後編です

インタビュー前編
「可哀そうで悲惨な話ばかり求められる」違和感。障害者の子供には困難も幸せも存在する>>

 

五十嵐大
1983年、宮城県生まれ。2015年よりフリーライターになる。著書に『しくじり家族』(CCCメディアハウス)、『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』(幻冬舎)などがある。『エフィラは泳ぎ出せない』(東京創元社)は自身初の小説作品となった。最新刊『聴こえない母に訊きにいく』(柏書房)が発売中。