若者の承認欲求と大人の考える承認欲求は微妙に違う
——若者が映える写真をSNSであげることって、承認欲求のためとよく言われますよね。若者は承認欲求が強いから映えを求めるんだと。でも、実際はコミュニケーションをとるため、あくまでも分かち合うためにSNSにあげるんですね。
長田:承認欲求はあるのはあるんですけど、承認欲求の定義が違うんです。大人が考える承認欲求って、全員に見てほしいって感じですよね。若い子の場合そうではなくて、自分の周りの小さなコミュニティの中での承認が大事なんです。不特定多数の人たちにこう見られたいというよりも、このコミュニティの中でこういう自分を見せたいとか、範囲が割と狭め。承認欲求が強すぎると、逆にコミュニティの調和を乱してしまうことにもなりかねない。
——若者は周りの調和を乱さない程度に”丸く尖る”そうですね。
長田:調和を乱さないことをすごく大事にしているので、私が私が! みたいなことはしないです。ファッションが好きで、誰ともかぶりたくないたくないと言っている子が、自分の友達の輪から浮きすぎないようにしてますと言うんです。突き抜けちゃうとみんなを置いていってしまうし、コミュニティの輪が乱れてしまう。このコミュニティだったら量産の服が一番マッチするけど、部活の友達だったらスポーティの方がいい、という風にコミュニティに合わせてファッションを変えたり、輪を乱さないことを大事にする傾向がありますね。
——調和や周りにどう見られているかを重視するのは、やっぱりSNSが基盤になってるからなんでしょうか。
長田:そうですね。SNSで日常共有するのが中高生の時から当たり前なので、コミュニティの中でずっと緩く繋がり続けることが大事なんです。あとは教育もあると思います。最近、学校の先生と話したのですが、小4ぐらいから既に周りの目をすごく気にするようになるそうです。今の学校の授業ってみんなで考えるワークがすごく多いんです。考えると言っても、結局先生の正解が決まっていて、先生の正解に合わせていくためにみんなで頑張ろうということやってきているから、顔色を伺ったり、輪を乱さずにやるというのがすごく上手なんですね。
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