昭和のアイドルが再び注目される理由


——中森明菜さん、松田聖子さんとか、チェッカーズなどの昭和アイドルがまた若い世代の中で人気になっていると聞きました。

長田:この前何で昭和のアイドルが好きか聞いてみたんですけど、見た目がエモくて可愛いというのはもちろんあるんですけど、「マインドが好き」というのが大きいみたいです。昭和のアイドルってすごく自分を持っていて、突き抜けていて、今を楽しむというのを全力でやっている。周りの目も気になっちゃってなかなかできないから、憧れるみたいです。自分を持って突き抜けるという意味では、最近ギャルのマインドも結構注目されてるんです。ギャルのマインドをインストールするために、まずはギャルのファッションをするという子もいます。

——調和を重んじる若い世代だからこそ、周りを気にせず突き抜ける昭和のアイドルやギャルに憧れるんですね。昭和だけではなく、平成ももうレトロ扱いになっているそうですね。

長田:目の前で、「最近平成レトロっていうのが流行ってて」と言われた時は衝撃でしたね。え? 平成ってレトロなの? って。でも、そういう自分たちも平成生まれだよね? とは思いましたけどね。私が小学生後半だったときの流行りのものが最近リバイバルしてきていますね。たまごっちとか、オシャレ魔女ラブandベリーとかも流行っています。推しのトレカもラブandベリー風に作ったりとか、レトロと今の掛け合わせを楽しんだりしています。

「5年先を考えても仕方ない」“丸く尖る”若者たちの価値観を掘り下げると未来に希望が見えてきた_img0
写真:Shutterstock

——今の若い世代と、ちょっと上の世代と若者の違いってどういうところなんでしょう。

 

長田:今の若い世代はとても堅実で慎重、合理的という特徴はあります。でもめちゃくちゃ新人類って感じはあんまりしないです。世代の特徴は生まれた時代背景がすごく関係するけど、価値観の変化はグラデーションだったりしますよね。若者と話していても私の友達にもこういう子いるなと思うし、オタ活が流行っているというのもミドル世代のみなさんもそうだと思うので、意外と共通点は多いのではないでしょうか。唯一違うとしたら、やはりSNSネイティブなので、アウトプットの仕方が、他の世代にはない感覚がありますね。