理不尽を受け流さない、違和感を大事にする
——前提を疑うことができるというのも今の若い世代の特徴と書いてありましたが、それもすごくいいことだと思いました。理不尽なルールや働き方に対して疑問を持つのが自然にできる傾向というのはありますよね。
長田:自分が疑問を持たなくても、問題提起をしている人の意見をSNSで目にするんです。だから気づけるタイミングも多いし、共感できることなら、大きなムーブメントにするためにいいねしたりリツイートすることができるんです。
——確かに今までだったら学校内で留まっていたルールがSNSで可視化されて、意義を唱える人の声も目に入りやすい。おかしいことに気づいたり声を上げやすいのかもしれません。
長田:情報に溢れた環境で、コンテンツもたくさんあって、もう全部受け取れきれなくなっているんです。だからある程度何でこれが必要なのかという判断が必要になったり、選ぶ意味をすごく大事にしてるので、本質を大事にする傾向があると思います。面倒くさいと思われてしまうかも知れませんが、この仕事って何でこんなこの工程があるんだろうとか、これは省けないですかみたいなことを考えるんです。
——情報がたくさん入ってくるから、業務上の改善案とかも浮かびやすいですもんね。今までのやり方が通用しないから、上の世代からは新人種みたいに思われたり揶揄されたりしてしまいがち。でも、残業はおかしい、有給をちゃんと取りたいとか、今までのやり方に囚われず、働き方に関してどんどん新しい風を吹き込んでくれるのはいいことですよね。今の若者は忍耐力がないとか、何でもハラスメントって言うなんて言われることもありますが、ハラスメントに敏感なのは感覚がアップデートされている証拠だと思います。
長田:彼らの考えって別にさぼりたいとかではなく、よく考えれば普通のことを言っていたりするんです。私も新卒の時そう思ってたなみたいな話もあったりする。彼らの考えが職場でもちゃんと共有されると、ちょっと上の30代ぐらいの人もそうだそうだ! って加勢できるんじゃないかと思います。
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