若者から学ぶことがたくさんある
長田:今の若い子はあんまり上昇志向がないというのも特徴だと思います。もうちょっと上の世代の人たちって、24時間働きますみたいに仕事に捧げる姿勢が求められたと思います。でも今の若い子たちは既に生まれたときには大体経済が成長しているし、不況で就職が難しいと言われつつ実際はほとんどできているので、なんでそんなに自分を犠牲にしてまで働かないといけないのって思うみたいです。
——競争して上に行くことが目的じゃないとしたら、働くモチベーションってどういうところにあるんでしょうか?
長田:すごく多様になっていて、ただ単にお金を稼ぐという生活のための手段として割り切っている子もいるし、仕事で何か社会的な意義を成し遂げたいと思っている子もいます。オタ活のために有休をたくさん取れる会社に行きたいという話を聞くこともあったりして、自分の生活の理想のバランスをそれぞれが持っていて、それを叶えるための一つの要素として仕事があるくらいなんです。
——昇進したいという欲がないことも よくないことと言われやすいですけど、健全にワークライフバランスを守りながら働きたいという意識は自然なものなのかもしませんね。こうやって改めて今の若い子たちの価値観をみていくと、これからいい時代になっていく気がしてきます。
長田:若い子たちを見ていると、この価値観があれば生きやすいだろうな、みんな幸せになるだろうなと思うことがあります。若い子の感覚に触れているとすごく勉強になります。自分の意識もアップデートされるし、教えてもらうことが多いです。
インタビュー前編
企業の考える「若者像」は10年前で止まっている?SHIBUYA109は大幅にリブランディングされてどう変わったのか>>
<書籍紹介>
『生の声から創る SHIBUYA109式 Z世代マーケティング』
著者:長田麻衣 プレジデント社 1870円(税込)
★★「未来の消費者」Z世代約1万人の“生の声”をもとにした
【一番リアルなZ世代論にして、実践的マーケティングの極致!】登場!★★
数字では測れない、「等身大のZ世代」像とは?
「毎月200人×5年間=約10000人」のZ世代への徹底的なヒアリングとインタビューを続けてきたSHIBUYA109 lab.所長 長田麻衣氏が、Z世代の価値観と消費行動の原則を徹底解説。
◎Z世代が何を考えているかわからない
◎自社のZ世代向けマーケティングが上手くいかない
◎職場のZ世代とのコミュニケーションに悩んでいる
◎Z世代と価値観が合わない
「SHIBUYA109」をZ世代の聖地として復活させた気鋭のマーケターが集めた、around20(15~24歳)の若者の“生の声” に、忖度は一切なし!
未来の消費トレンドを読み解くヒントが満載
取材・文・構成/ヒオカ
撮影/市谷明美
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