こんにちは、エディターの昼田です。

断捨離前の私と、今の私。
違うことはたくさんあるのですが、一番は意識が「自分」に向かっているか。「外」に向かっているか、です。

デニム/ニードバイヘリテージ(ゲストリスト)

たとえば、このデニムを買おうと思ったときのこと。
「昔、こういう破れたデニムをはいて親にびっくりされたことがあったなぁ……」。さらには「年甲斐もなく、こういうダメージデニムをはくのはアリなんだろうか。ツッコまれないだろうか」。
そう、こんなふうに意識が「他人」に向きがちなんですよね。

 

他人に意識を向けたまま買った洋服とは、他人にダメ出しされないための洋服。他人にいいね! と言ってもらうための洋服。つまり、自分でお金を出して「他人のための服」を買っていることになります。

断捨離前のクローゼットは、こんな「他人のための洋服」で溢れていました。おしゃれに見られたい、素敵に見られたいという意識も、結局のところ「他人」を意識したものです。他人とは、親や家族、友達、仕事の人のような顔が思い浮かぶ存在もいれば、社会の目なんかも含まれています。

断捨離を進める中で最後まで引っかかっていたのが、「いろんな洋服が着たい! 」という欲望でした。だって私はおしゃれが好きなのだ。ファッションエディターなんだからいろいろ着るのも仕事のうち。だから捨てられない。

いろいろ着たい。おしゃれな私でいたい。

その裏側にあったものは、おしゃれな私をアピールしたい。すごい人に見られたい。おしゃれで優越感を感じたい。ぜ〜んぶ他人の目を意識したものだったんですよね。しかも毎日の唯一の楽しみがいろんな洋服を着ることでしたから、手放すなんて絶対にイヤだと思っていました。

ずっと攻防戦を繰り広げていたわけですが、稲垣えみ子さんの本にあった「あれこれ洋服を持って、おしゃれな自分を見せつけようとする姿がぶよぶよとみっともない」という一節に衝撃を受け、スパッと洋服を捨ててしまいました。あれほど迷っていたくせに、未練は一切ありませんでした。

 
  • 1
  • 2