前橋のリノベーションホテルと人生ベスト5に入るパン屋さんに行きたい
――今、注目してるホテルはありますか?
山脇 一人で泊まるのはなかなか難しいですけれど、北関東では例えば、前橋の「白井屋ホテル」さん。
前橋には「クロフトベーカリー」という私的に人生ベスト5に入るおいしいパン屋さんもあるので、泊まりで行ってみたいです。
自分へのお土産は、蚤の市などで見つけるアクセサリーや器など「懐かしくて小さなもの」
――ひとり旅で自分へのお土産は何を買いますか?
山脇 海外では週末のマーケットや蚤の市で、1940年代から1960年代くらいのブロカントのアクセサリーを求めたり、街の骨董屋さんで豆皿など、懐かしさのある小さいもの」を買うのが好きです。これは1960年代とか1950年代のブローチ、イヤリングなどで。こちらは台湾で買った1930年代から1950年代の小皿です。
アンティークまでいってしまうと真贋がよくわからないし、お値段も高くなってしまうので、親や自分の生まれた時代くらいの、ちょっと記憶にもある懐かしい感じのものですね。だいたい一万円以内くらいです。
新品のものやブランドものは友達と旅行に来た時でも見られますが、こういう自分だけが好きなものを心ゆくまで探すことができるのもひとり旅の醍醐味です。
――すごく素敵なアクセサリーと器ですね。使う度に旅のことを思い出せていいですね。
「旅だから観光地に行かなくちゃ」と思わなくていい。自分を最優先にして自分が楽しいのが一番
――最後に、初めてひとり旅をするミモレ世代の婦人に、ひとり旅の先輩よりアドバイスをいただけたら⋯⋯!
山脇 私は全然旅慣れていなくて、アドバイスできるのか? という感じなんですが(笑)。何度行っても荷造りも上手にならないし、毎回反省と発見の繰り返しで。しかもかなりの心配性のビビりで。この前、タイとラオスに夫と行った時も、ランニングの時には靴の中に10ドル入れていました。
けれど、旅に慣れる必要は全くないと思うんです。無事に帰ってくるのが大事だし、用心して、ちょっとドキドキしながら、行く感じでいいんじゃないでしょうか。その方が安全ですし。
それにひとり旅は自分のやりたいことが120%できる時間なので、「旅だから観光地に行かなきゃ」と思わず、疲れていたらぼーっと公園とか、なんならホテルにいたっていいし、普段見る時間がないから洋服を好きなだけ見る、とかもいいな、って思います。私も、気に入ったからずっとここにいたいな、と思ったらずっとその場所にいるし、友達や家族との旅行では行かないようなたとえば図書館に行ってみるとか、とにかく自由に過ごすようにしています。
「ここに行かなきゃ」みたいな計画はあまり立てすぎないで、自分を最優先にして自分が楽しいのが一番かな、と思います。
家族と旅行をすると、家族に気を配ったり面倒を見たり忙しくて、自分のやりたいことだけできるわけではないので。
ひとり旅の時には普段の忙しい日々を、まるっとおやすみするんです。で、ぐっとごきげんになって帰ってくる、それが気に入っています。
『50歳からのごきげんひとり旅』
山脇りこ 大和書房 924円(税込)
50代は、絶好のひとり旅適齢期! 20代前半でひとり旅したことはあるものの、以来すっかり忘れたまま30代、40代を過ごしてきた私。旅となれば、家族か、女友だちがいつも一緒でした。最初は、とても緊張しました。でも、勇気を出して旅立ったら、ごきげん貯金がたくさんできました。どうよかったのか? どんなふうに心に効いたのか? それを書いた本です。
写真/山脇りこさん撮影
取材・文/大槻由実子
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