ラブコメも映画も俳優さんも、笑いと真剣な場面とのバランスに中毒性を感じる


アツミ:はしもさんが特に好きなジャンルとか、おすすめの作品はありますか?

 

はしも:何でも好きなんですけど、特にどのジャンル? と聞かれたら、多分ラブコメが一番好きです。

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アツミ:ラブコメのナンバーワンみたいのあるんですか。

はしも:『私の名前はキムサムスン』が。

アツミ:最近じゃヒョンビンの出世作として知られていますけど、第一次韓国ドラマブームを代表するラブコメですよね。韓国ドラマではありえなかった「30代で未婚で無職のぽっちゃり女子」という型破りなヒロインを初めて描いた作品で。どこが好きだったんですか?

 

はしも:やっぱり、30代のヒロインの大人の恋愛みたいなところが。子供ながら「恋愛は学生だけじゃなく、大人もするんだな。大人の恋愛ってこんななんだ」って思ったんですよね。それにラブコメの「コメディ」の部分もテンポがよくてすごく面白くて。笑いと真剣な場面とのバランスもいいし。OSTもすごくいいんですよ、中毒性があるというか。あと僕、ドラマと同じくらい韓国映画も好きで……。

アツミ:私もです。映画でもいいですよ。

はしも:最近ではユン・ダンヒ監督の『夏時間』っていう作品がめちゃくちゃ好きで。下高井戸シネマみたいなところで一人で見たんですけど、すごくよかったです。

アツミ:離婚され食い詰めたインチキな父親とその子供たちが、おじいちゃんの家に転がり込む話ですよね。あのおじいちゃんの家がめちゃよくないですか? 緑にあふれてて。

はしも:ロケーションとか、絵の描写とか、全部いい。特別な事件は何も起こらないんですけど、そこがいいんですよ。

アツミ:お父さんがパチもののスニーカーを売ってるエピソードが好きで。娘がそれをこっそり持ち出して好きな男の子にプレゼントしたら、「偽物じゃねえの?」って言われて、すごく傷ついちゃうという。

はしも:そうそうそう、そういう日常のエピソードがリアルでいいんですよ。あとキム・ボラ監督の『はちどり』もよかった。

アツミ:女子中学生の日常を描きながら、経済が急成長した1994年描いた作品ですよね。この映画で主演デビューしたパク・ジフは、『今、私たちの学校で』『三人姉妹』と大活躍してます。

アツミ:にしても日本の韓国映画好きの男性ってエンタメ大作が好きな人が多いけど、『夏時間』も『はちどり』も小規模なインディーズ作品じゃないですか。

はしも:確かに『悪人伝』とか『新・感染 ファイナル・エクスプレス』とか、好きな男性多いですよね。僕はむしろインディーズのほうが好きで。『夏時間』は、好きな映画の上位に入ります。あとは『7番房の奇跡』もめちゃくちゃよかった。主演のリュ・スンリョンさんがすごく好きで。

アツミ:リュ・スンリョンと言えば『エクストリーム・ジョブ』も最高ですよね。ダメダメ捜査チームが、犯罪組織のアジトの向かいにあるチキン屋を買い取り、営業を装って監視するうち、チキン屋のほうが大繁盛しちゃうという。現在も韓国の歴代興収2位の大ヒットしたコメディで、死ぬくらい笑いました。

はしも:コメディができる俳優さんが好きですね。シリアスな作品って、演技以外のものの手助けを感じながら手堅く演じられると思うんですが、コメディってそういうわけにいかないので。まあリュ・スンリョンさんは、シリアスもすごいですが。NETFLIXのゾンビ時代劇『キングダム』とか、めっちゃ怖いです。

アツミ:極悪な権力者リュ・スンリョンに、ゾンビになったホ・ジュノ(『ブラッドハウンド』)が襲い掛かる場面とか。ド迫力の2大俳優に震えあがりました。

はしも:あれ、こぉわいっすよねえ~(笑)。メイクもすごくて。ちょっと残ってるんですよね、元の人間だったときの顔が。