「女性のリーダー」として人生を駆け抜けたエリザベス女王の言葉
「なぜ女性はいつも笑顔でいなければならないのでしょう」
この言葉の後には、こう続いています。「不公平だ。男性が厳粛な顔をしていれば、自動的に真面目な人だと思われ、惨めな人ではないとみなされる」。女性のリーダーが少なかった時代に、君主でありながらも「女性であること」を求められたエリザベス女王。「女王は世界でも稀な女性リーダーとして、君主としての威厳と女性としての優しさを共に備えていないといけなかった」(多賀さん)。チャーミングで柔和な笑顔の裏には、幾多の葛藤があったことを窺わせる言葉です。
「あなた自身と信じることのために立ち上がることを学ぶ必要があります」
多賀さんの解説によると、この前には「結局はあなたのご両親はあなたの元を去り、無条件であなたを守ってくれる人はいなくなります」との言葉があるといいます。10歳で君主になる運命が決まり、27歳で女王となり、70年という月日を国民と共に過ごした一人の女性の歩み。その一歩は、まずは力強く自分の力で立つことから始まったのだと感じさせるメッセージです。
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エリザベス女王は、「過去の教訓を理解すれば、未来を理解することができるのです」とも伝えています。歴史の尊さ、過去から学ぶことの重要性、そこからこそ未来は見えてくる――。エリザベス女王がこれまでに残してくれた数々の名言、そして笑顔を湛えた数々の写真からは、私たちを「良き未来」に導いてくれるような、幸せのヒントであふれています。
『英国女王が伝授する 70歳からの品格』
著者:多賀幹子 KADOKAWA 1870円(税込)
鮮やかなフォトスナップと名言で綴られる、エリザベス女王の人生哲学。家族問題、愛と平和、装い、仕事、習慣、王室の未来……。数々の名言とその意味について、英国王室ジャーナリストの著者が教えてくれます。立ち止まって身動きが取れないとき、家族やパートナーとの関係に煮詰まってしまったときなど、「人生の壁」に直面したときにそっと勇気をくれる、力強い言葉たちが満載。もちろん、ファッショニスタのエリザベス女王を眺めるだけでも楽しい1冊です!
構成/金澤英恵
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