睡眠時間の確保が更年期を救う!? 

生理やPMSが重い人は「更年期うつ」にも要注意。今から整えておきたい「生活習慣」とは?_img0

「もうひとつ、更年期を迎えた時にメンタルダウンが起こる理由として、睡眠時間が関係しているのではないかと考えられます。

日本人女性と欧米人女性を比べた場合、ほてりや汗などの不調は欧米人女性の方が多いのですが、日本人女性のほうがメンタルの不調が多いという結果が出ているんです。

それはなぜかと考えてみると、日本人女性の方が欧米人女性に比べて睡眠時間が短いことが理由に挙げられます。日本を含めた東アジア諸国では、外で働いている夫を起きて待っていて、食事などのお世話をし、そこから妻が寝る。そして朝早く起きてご飯の用意をするという家父長制度によるライフスタイルが影響しているのではないでしょうか。

そのため、睡眠時間を確保できないことがメンタルの不調を引き起こしているという可能性があります」

 

更年期のメンタルダウンを身近で見てきた人や、これからやってくる更年期に不安を抱えている人が、今からできるひとつの対策としては、睡眠をきちんと確保できるような仕事環境や、生活習慣の見直しをしておくこと。睡眠時間の確保が将来の自分の心の健康に繋がるのだと、考えておくといいのではないでしょうか。

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高尾 美穂(Miho Takao)
イーク表参道副院長。産婦人科医。医学博士。婦人科スポーツドクター。ヨガ指導者。働く女性の産業医。婦人科の診療を通して女性の健康をサポートし、 女性のライフステージ・ライフスタイルに合った治療法を提示し、選択をサポートする。アプリstand.fmで毎日更新される番組『高尾美穂からのリアルボイス』では、体や心の悩みから人生相談までリスナーの多様な悩みに回答。著書に『いちばん親切な更年期の教科書【閉経完全マニュアル】』(世界文化社)、『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)、『更年期に効く 美女ヂカラ』(リベラル社)などがある。


イラスト/Shutterstock
取材・文/千葉泰江
構成/宮島麻衣
 

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